民法第286条・物権
民法第286条:承役地の所有者の工作物の設置義務等
承役地の所有者が工作物の設置・修繕義務を負ったときは、その特定承継人も義務を負います。土地に付いて回る義務です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
承役地承役地地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →の持ち主が「通路の修繕はうちでやります」と約束していたの。その土地が売られたら、約束はどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法286条じゃ。買った者も義務を負う。債権の原則からすれば異例の定めじゃぞ。
条文の内容
設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 発生原因 | 設定行為又は設定後の契約 |
| 誰の義務 | 承役地の所有者が自己の費用で |
| 内容 | 地役権の行使のために工作物工作物人が土地に手を加えて設けた物のこと。建物・橋・トンネルなどを指し、地上権の目的(民法265条)や相隣関係の条文にたびたび登場します。用語ページを見る →を設け、又はその修繕をする義務 |
| 効果 | 承役地の所有者の**特定承継人特定承継人売買や贈与のように、個々の権利を個別に受け継いだ人のこと。占有回収の訴えは、原則としてこの特定承継人に対しては提起できません(民法200条2項)。用語ページを見る →も、その義務を負担する** |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
買った人が「そんな約束は知らない」って言っても、負うんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文がそう定めておるからのう。もし承継されぬとすれば、承役地を売るだけで義務から逃げられる。それでは地役権者が困る。
民法254条を思い出すとよい。共有共有一つの物を複数人で所有すること。各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。用語ページを見る →について「共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる」と定めておった。土地にくっついた義務は、土地とともに動く——同じ発想じゃな。
民法287条:義務から逃れる道
承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| いつ | いつでも |
| 何を | 地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転 |
| 効果 | 民法286条の義務を免れる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
土地そのものを渡してしまえば、義務からも解放されるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そういう出口が用意されておる。義務は重いが、逃げ道もある。民法287条は、その意味で286条とセットで読むべき条文じゃな。
資格別の演習
設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する。
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解答:◯
正しい記述です。民法286条がそのとおり定めています。
承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより民法286条の義務を免れることができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法287条がそのとおり定めています。
民法286条の義務は、設定行為によって生じた場合に限り、承役地の特定承継人に承継される。
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解答:×
誤りです。条文は「設定行為又は設定後の契約により」としており、設定後の契約によって負担した義務も対象です。