民法第264条・物権
民法第264条:準共有
所有権以外の財産権を数人で持つときも、共有の規定が準用されます。ただし民法262条の2・262条の3は除かれる——括弧書きが効いています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
共有共有一つの物を複数人で所有すること。各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。用語ページを見る →って所有権の話だよね。じゃあ、地上権や賃借権を何人かで持っているときは?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法264条が受け止めておる。準共有準共有数人で所有権以外の財産権を有すること。共有の規定(民法262条の2・262条の3を除く)が準用されます(民法264条)。用語ページを見る →じゃ。第三節「共有」まるごとを、別の財産権に持ち込む——民法205条の準占有準占有自己のためにする意思をもって財産権を行使する場合のこと(民法205条)。物の所持がなくても、占有権の規定が準用されます。用語ページを見る →と同じ手口じゃな。
条文の内容
この節(第二百六十二条の二及び第二百六十二条の三を除く。)の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 準用されるもの | この節(第三節「共有」=民法249条〜263条) |
| 除かれるもの | 民法262条の2及び262条の3 |
| 場面 | 数人で所有権以外の財産権を有する場合 |
| ただし書 | 法令に特別の定めがあるときは、この限りでない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
括弧書きで2つ除かれてる! 所在等不明共有者所在等不明共有者共有者が誰であるか、またはその所在を知ることができない共有者のこと。裁判所の裁判により、その持分を取得したり譲渡したりする道が用意されています(民法262条の2・262条の3)。用語ページを見る →の規定だ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう見つけたのう。民法262条の2・262条の3は、いずれも「不動産が数人の共有に属する場合」を対象とし、それぞれの5項・4項で不動産の使用収益権への準用を自ら定めておる。すでに自分で射程を決めておる条文じゃから、264条で重ねて準用する必要がないのじゃ。
ただし書の「法令に特別の定めがあるとき」も見逃せぬ。他の法律が別のきまりを置いておるなら、そちらが優先する。民法175条の「その他の法律に定めるもの」と同じ構えじゃな。
判例:仮換地の使用収益権
最判昭和43年12月24日(民集第22巻13号3393頁)
判示事項は「仮換地の指定後従前の土地が分割譲渡された場合と仮換地に対する使用収益権」です。裁判要旨は次のとおりです。
仮換地の指定後、従前の土地が分割譲渡されて所有者を異にする二筆以上の土地となつた場合においては、施行者により各筆に対する仮換地を特定した変更指定処分がされないかぎり、各所有者は、仮換地全体につき、従前の土地に対する各自の所有地積の割合に応じ使用収益権を共同して行使すべき、いわゆる準共有関係にあるものと解すべきである。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
所有権じゃなくて「使用収益権」の準共有なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが準共有の姿じゃ。要旨は「仮換地全体につき」「各自の所有地積の割合に応じ」と述べておる。民法249条1項の「共有物の全部について、その持分持分共有者が共有物に対して有する権利の割合のこと。各共有者の持分は相等しいものと推定されます(民法250条)。用語ページを見る →に応じた使用」と、そっくりの構えじゃろう。
第三節「共有」を振り返る
| 区分 | 条文 |
|---|---|
| 使用・持分 | 民法249条・250条 |
| 変更・管理 | 民法251条・252条・252条の2 |
| 負担・債権 | 民法253条・254条 |
| 持分の帰属 | 民法255条 |
| 分割 | 民法256条〜262条 |
| 所在等不明共有者 | 民法262条の2・262条の3 |
| 入会権 | 民法263条 |
| 準共有 | 民法264条 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここで第三節は終わりじゃ。次の民法264条の2からは、第四節「所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令」に入るぞ。
資格別の演習
共有に関する民法第二編第三章第三節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法264条本文がそのとおり定めています。これを準共有といいます。
民法264条により準用されるのは、民法249条から263条までのすべての規定である。
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解答:×
誤りです。条文の括弧書きは「第二百六十二条の二及び第二百六十二条の三を除く」としています。
数人で所有権以外の財産権を有する場合であっても、法令に特別の定めがあるときは、民法264条による準用はされない。
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解答:◯
正しい記述です。民法264条ただし書が「法令に特別の定めがあるときは、この限りでない」と定めています。