民法第380条・物権
民法第380条:抵当権消滅請求ができない者
主たる債務者・保証人・これらの承継人は抵当権消滅請求ができません。全額を払う義務を負う者だからです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抵当権消滅請求抵当権消滅請求抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →は第三取得者第三取得者担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る →なら誰でもできるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうはいかぬ。民法380条が3種類の者を締め出しておる。短い条文じゃが、抵当権消滅請求の性格がよく現れておるぞ。
条文の内容
主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
| # | できない者 |
|---|---|
| ① | 主たる債務者 |
| ② | 保証人 |
| ③ | これらの者の承継人 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうしてこの3つなの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
いずれも債務の全額を弁済すべき立場にある者じゃからのう。
抵当権消滅請求は、第三取得者が代価又は特に指定した金額を払って抵当権を消す制度じゃ(民法383条3号)。債務の全額とは限らぬ。全額を払う義務を負う者にこれを許せば、義務より少ない額で抵当権だけ消せることになってしまう。
「承継人」まで塞ぐ意味
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は**「これらの者の承継人」**まで書いておる。ここが大事じゃ。
主たる債務者や保証人が抵当不動産を買ってもダメ、その相続人や地位を引き継いだ者が買ってもダメ——間に人を挟んで抜け道を作らせぬ、という念の入れようじゃな。
民法381条と並べて読む
| 条文 | できない者 | 理由と読める点 |
|---|---|---|
| 民法380条 | 主たる債務者・保証人・これらの承継人 | 債務の全額を払う義務を負う |
| 民法381条 | 抵当不動産の停止条件停止条件成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →付第三取得者(成否未定の間) | 取得するかがまだ定まらぬ |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
380条は「立場」で、381条は「まだ確定してない」で外してるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい整理じゃ。性質の違う2つの除外を、条文は分けて書いておるのじゃな。
根抵当権の消滅請求にも準用
民法398条の22第3項は「第三百八十条及び第三百八十一条の規定は、第一項の消滅請求について準用する」と定めます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
根抵当権根抵当権一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権(民法398条の2)。継続的な取引から生じる債権をまとめて担保できます。用語ページを見る →の消滅請求(民法398条の22)でも、同じ者が締め出される。制度が変わっても、除外の理屈は変わらぬということじゃ。
資格別の演習
主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法380条がそのとおり定めています。
保証人本人は抵当権消滅請求をすることができないが、保証人の承継人は抵当権消滅請求をすることができる。
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解答:×
誤りです。民法380条は「保証人及びこれらの者の承継人」と定めており、承継人も請求できません。
民法398条の22第1項の根抵当権の消滅請求についても、民法380条の規定が準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法398条の22第3項がそのとおり定めています。