民法第279条・物権
民法第279条:永小作権における工作物等の収去等
地上権の収去・買取りの規定が、永小作権にもそのまま準用されます。第五章を締めくくる一文です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
永小作権永小作権小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →が終わったら、田んぼに作った水路や小屋はどうするの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法279条じゃ。地上権の条文を借りてくる——たった一文で済ませておる。
条文の内容
第二百六十九条の規定は、永小作権について準用する。
準用される民法269条は、次のとおりです。
1項 地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができる。ただし、土地の所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知したときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。 2項 前項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
| 永小作権に当てはめると | |
|---|---|
| 原則 | 永小作人は、土地を原状に復して工作物工作物人が土地に手を加えて設けた物のこと。建物・橋・トンネルなどを指し、地上権の目的(民法265条)や相隣関係の条文にたびたび登場します。用語ページを見る →及び竹木竹木竹や樹木のこと。隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは切除させることができ、根が越えるときは自分で切り取れます(民法233条)。用語ページを見る →を収去できる |
| ただし書 | 土地の所有者が時価相当額を提供して買い取る旨を通知したときは、正当な理由がなければ拒めない |
| 2項 | 異なる慣習慣習その社会や取引で繰り返し行われてきたやり方のこと。任意規定と異なる慣習は、当事者がそれによる意思を有していると認められるときに従われます(民法92条)。用語ページを見る →があれば、その慣習に従う |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
一文だけで、2項ぶんの内容が入ってくるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
準用というのは、そういう仕組みじゃ。同じことを二度書かぬ——民法の省筆じゃな。民法245条が付合の規定を混和に準用し、民法264条の8第5項が土地の管理人の規定を建物に準用したのと同じ手口じゃ。
第四章と第五章の貸し借り
| 借りる側 | 借りる条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 地上権(民法266条1項) | 永小作権の民法274条〜276条 | 小作料の減免・放棄・消滅請求 |
| 永小作権(民法279条) | 地上権の民法269条 | 収去等 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
互いに貸し借りしておるじゃろう。地上権と永小作権は、民法にとって兄弟のような制度なのじゃ。
第五章はここまでじゃ。次の民法280条からは第六章「地役権」に入る。他人の土地を使う物権でも、自分の土地のために使うという一段変わった権利じゃよ。
資格別の演習
民法269条の規定は、永小作権について準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法279条がそのとおり定めています。
永小作権が消滅した場合において、土地の所有者が時価相当額を提供して工作物を買い取る旨を通知したときは、永小作人は正当な理由がなければこれを拒むことができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法279条により民法269条1項ただし書が準用されます。
永小作権における工作物等の収去について、民法269条1項と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
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解答:◯
正しい記述です。民法279条による準用には民法269条2項も含まれます。