民法第387条・物権
民法第387条:抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力
先順位の抵当権者全員の同意とその登記があれば、登記した賃貸借が抵当権者に対抗できます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →が付いた建物を借りてるとき、競売されたら出ていくしかないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
原則はそうじゃ。じゃが民法387条に抜け道がある。抵当権者が同意して、その登記をする——それで賃貸借が生き残るのじゃ。
1項:同意とその登記
登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
| # | 要件 |
|---|---|
| ① | 登記をした賃貸借であること |
| ② | その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意 |
| ③ | その同意の登記があること |
| 効果 | その同意をした抵当権者に対抗することができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
条件が3つも! しかも「すべての者」の同意。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
厳しいのう。賃貸借の登記より前に登記した抵当権者が対象じゃ。後から登記した抵当権者は、そもそも登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →の前後で賃貸借に負けるからのう(民法177条)。
そして同意だけでは足りず、同意の登記まで要る。第三者から見えぬ合意で順位が動くことを、民法は許さぬのじゃ。
2項:同意には承諾が要る
抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
| 承諾が必要な者 | 例と読める者 |
|---|---|
| その抵当権を目的とする権利を有する者 | 転質転質質権者が、その権利の存続期間内において自己の責任で質物をさらに質入れすること(民法348条)。これによって生じた損失は、不可抗力によるものであっても責任を負います。用語ページを見る →ならぬ転抵当の権利者など(民法376条1項) |
| その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者 | 同意によって担保価値が下がる立場の者 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抵当権者が勝手に同意すると、その抵当権を担保に取ってる人が困るんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。同意は担保価値を減らす行為じゃからのう。民法376条で抵当権が処分の対象になる以上、その上にさらに権利を持つ者がおる。その者の頭越しには決められぬ。
「その同意をした抵当権者に対抗することができる」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
効果の書き方をよう見よ。**「その同意をした抵当権者に」**じゃ。誰にでも対抗できるようになる、とは書かれておらぬ。
同意した者との関係でだけ効く——民法378条の「その第三者のために消滅する」と同じ、限定付きの効果じゃな。
対抗できない賃借人はどうなるか
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
同意がもらえなかったら、すぐ追い出されちゃうの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこで民法395条じゃ。抵当権者に対抗できない賃貸借でも、一定の者は買受けの時から6か月は引き渡さなくてよい。
387条で守れなかった者に、395条が猶予を与える。二段構えになっておるのじゃな。
資格別の演習
登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法387条1項がそのとおり定めています。
登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有する者のうち一人でも同意をすれば、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
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解答:×
誤りです。民法387条1項は「その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるとき」としています。
抵当権者が民法387条1項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法387条2項がそのとおり定めています。