民法第438条・債権
民法第438条:連帯債務者の一人との間の更改
一人との間に更改があったときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
更改更改従前の債務に代えて新たな債務を発生させる契約。従前の債務は消滅します(民法513条)。連帯債務では全員のために債権が消滅します(民法438条)。用語ページを見る →って、債務を新しいものに取り替えることだよね。連帯債務でやったら?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法438条じゃ。全ての連帯債務者の利益のために消滅する——絶対的効力のひとつじゃぞ。
条文の内容
連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があった |
| 効果 | 債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
全員が助かるんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。更改は、従前の債務を消滅させて新しい債務を発生させる契約(民法513条)。
もとの債務が消えるのじゃから、それに結びついていた他の連帯債務者の債務も残らぬ——素直な帰結じゃな。
「全ての連帯債務者の利益のために」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
この言い回しは、民法439条1項にも出てくる。
「連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺相殺互いに同種の債務を負う者の一方の意思表示により、対当額で双方の債務を消滅させること(民法505条)。用語ページを見る →を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する」——同じ言葉じゃ。
更改と相殺——どちらも債権を実質的に満足させる、あるいは消滅させる行為じゃからのう。
絶対的効力事由は3つだけ
| 条文 | 事由 | 効果 |
|---|---|---|
| 民法438条 | 更改 | 全員の利益のために債権が消滅 |
| 民法439条1項 | 相殺 | 同上 |
| 民法440条 | 混同混同同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときに、その他の物権が消滅すること(民法179条1項)。自分の物に自分の制限物権を残しておく意味がないためです。用語ページを見る → | その連帯債務者は弁済をしたものとみなす |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
この3つだけ! 民法441条が「これ以外は効力を生じない」って言ってるんだよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。改正前は、履行の請求・免除・時効の完成にも絶対的効力があった。それが平成29年改正で相対的効力に改められ、絶対的効力事由は3つに絞られた。
連帯債務でいちばん大きく変わった点じゃ。改正前の知識のまま覚えておると、必ず間違えるぞ。
民法433条との対比
| 連帯債権連帯債権目的が可分な債権について、法令の規定又は当事者の意思表示により数人が連帯して有する債権(民法432条)。各債権者が全部の履行を請求できます。用語ページを見る →(民法433条) | 連帯債務(民法438条) | |
|---|---|---|
| 更改の効果 | その債権者に分与されるべき部分について請求できない | 債権は全部、全ての連帯債務者の利益のために消滅 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
債権側は一部、債務側は全部——同じ更改でも効き方が違う。並べて覚えるのが早道じゃな。
資格別の演習
連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
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解答:◯
正しい記述です。民法438条がそのとおり定めています。
連帯債務者の一人に対して債務の免除がされたときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
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解答:×
誤りです。免除は民法441条の除外に含まれておらず、相対的効力にとどまります。なお民法445条は、免除がされた場合でも他の連帯債務者が求償権を行使できることを定めています。
連帯債務における絶対的効力事由は、更改(民法438条)、相殺(民法439条1項)及び混同(民法440条)である。
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解答:◯
正しい記述です。民法441条本文がこの3つを除外する形で相対的効力の原則を定めています。