民法第989条・相続
民法第989条:遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し
遺贈の承認及び放棄は撤回することができません。民法919条2項・3項が準用され、総則・親族編の規定による取消しは妨げられず、取消権は6箇月・10年で時効消滅します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
一度承認したら、やっぱりやめたとは言えないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法989条1項じゃ。 「撤回することができない」。 だが取消しは別じゃぞ。
条文
1 遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
2 第九百十九条第二項及び第三項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 遺贈の承認及び放棄は撤回することができない |
| 2項 → 919条2項 | 第一編(総則)及び前編(親族)の規定による取消しは妨げられない |
| 2項 → 919条3項 | 取消権は追認をすることができる時から六箇月/承認・放棄の時から十年で時効消滅 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
撤回はだめで、取消しはいいんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
理由なく翻すのが撤回、瑕疵を理由に覆すのが取消しじゃ。 989条が閉ざしたのは前者じゃな。
民法95条の錯誤錯誤意思表示の前提に勘違いがあること。民法95条1項が2種類を挙げ、その錯誤が重要なものであるときに取り消すことができます。用語ページを見る →や96条の詐欺詐欺だまして誤った判断をさせること。詐欺による意思表示は取り消すことができます(民法96条1項)が、その取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できません(同条3項)。用語ページを見る →・強迫強迫おびやかして意思表示をさせること。民法96条1項により取り消すことができますが、同条2項・3項は詐欺のみを対象としており、強迫については定めがありません。用語ページを見る →があれば、取り消せる書きぶりと読める。
919条4項は準用されておらぬ。 あちらは家庭裁判所家庭裁判所家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →への申述を求める条文じゃった。 遺贈にはその手続がない。
準用されるのは2項と3項だけ——ここを問われるぞ。
資格別の演習
遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法989条1項がそのとおり定めています。
遺贈の承認又は放棄の取消権は、追認をすることができる時から6箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。
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解答:◯
正しい記述です。民法989条2項が準用する民法919条3項がそのとおり定めています。
遺贈の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
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解答:×
誤りです。家庭裁判所への申述を定める民法919条4項は、民法989条2項による準用の対象に含まれていません。