民法第348条・物権
民法第348条:転質
質権者は、預かった物をさらに質に入れられます。ただし不可抗力による損失まで責任を負う——重い代償が付きます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
預かっている質草を、自分がお金を借りるために質に入れちゃっていいの? 人の物なのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それができるのじゃ。民法348条の**転質転質質権者が、その権利の存続期間内において自己の責任で質物をさらに質入れすること(民法348条)。これによって生じた損失は、不可抗力によるものであっても責任を負います。用語ページを見る →じゃ。ただし代償は重い**ぞ。
条文の内容
質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| いつ | その権利の存続期間内において |
| どのように | 自己の責任で |
| 効果 | 質物質物質権の目的として質権者に引き渡された物のこと。質権者は債権の弁済を受けるまでこれを留置できます(民法347条)。用語ページを見る →について転質をすることができる |
| 責任 | 転質をしたことによって生じた損失について、不可抗力によるものであっても責任を負う |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「不可抗力によるものであっても」! 地震や火事でも責任を負うの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文がそう書いておる。民法でも珍しいほど重い責任じゃ。
ふつう、不可抗力による損害まで負わせることはない。じゃが転質は、設定者の知らぬところで、その物を他人の手に渡す行為じゃからのう。やるなら全部の危険を引き受けよ、という構えと読める。
「自己の責任で」と「存続期間内において」
条文は2つの枠をはめています。
| 枠 | 意味するところ |
|---|---|
| 存続期間内において | 自分の質権が続いているあいだに限る |
| 自己の責任で | 設定者の承諾を要件としない代わり、責任は自分で負う |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法298条2項を思い出すのじゃ。留置権留置権他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置できる権利(民法295条1項)。修理代を払ってもらうまで品物を返さない、という場面が典型です。用語ページを見る →者は「債務者の承諾を得なければ、留置物を……担保に供することができない」じゃった。
質権者は承諾なしにできるが、その代わり重い責任を負う。留置権とは違う道を選んでおるのが分かろう。
民法350条による準用との関係
民法350条は民法296条から300条までを質権に準用します。そこには民法298条(保管等)も含まれます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
あれ、民法298条2項が準用されるなら、承諾がいるんじゃ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい着眼じゃ。じゃが民法348条は質権について正面から転質を認める条文じゃ。特別に定めた条文が、準用される一般の条文に優先する——法律の読み方の基本じゃな。
民法341条が「この節に定めるもののほか」としておったのと同じ考え方じゃ。
資格別の演習
質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について転質をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法348条前段がそのとおり定めています。
転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、質権者がその責任を負う。
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解答:◯
正しい記述です。民法348条後段がそのとおり定めています。
質権者が転質をするには、質権設定者の承諾を得なければならない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法348条は「自己の責任で……転質をすることができる」と定めており、承諾を要件としていません。その代わり、不可抗力による損失についても責任を負います。