民法第273条・物権
民法第273条:賃貸借に関する規定の準用
永小作人の義務については、章の規定と設定行為で足りない部分を賃貸借の規定が埋めます。準用されるのは「義務」だけです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
第五章の条文って、あまり多くないよね。書いていないことは、どうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法273条が受け皿になっておる。賃貸借の規定を借りてくるのじゃ。ただし借りる範囲が限られておるゆえ、そこを見落とすまいぞ。
条文の内容
永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 永小作人の義務について |
| 優先するもの | ① この章の規定(民法270条〜279条) ② 設定行為で定めるもの |
| 条件 | その性質に反しない限り |
| 準用先 | 賃貸借に関する規定 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「永小作人の義務については」! 権利のほうは準用されないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう読んだのう。そこがこの条文のいちばんの勘どころじゃ。
永小作権永小作権小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →は物権物権物を直接に支配する権利のこと。特定の人に対して請求する債権と違い、誰に対しても主張できるのが特徴です。民法第二編が定めます。用語ページを見る →、賃借権は債権。権利の側まで賃貸借に寄せてしもうたら、物権である意味が薄れる。民法272条で見たとおり、譲渡の自由は永小作権のほうがずっと強いからのう。
一方、義務のほうは似通っておる。他人の土地を使わせてもらう者として、どう振る舞うべきか——そこは賃借人と重なる部分が多い。だから義務だけを借りてきたのじゃな。
優先順位
条文は3段構えになっています。
| 順位 | 何が定めるか |
|---|---|
| ① | この章の規定(民法270条〜279条) |
| ② | 設定行為で定めるもの |
| ③ | 賃貸借に関する規定(性質に反しない限り) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
もっとも、民法277条が「民法271条から276条までの規定と異なる慣習慣習その社会や取引で繰り返し行われてきたやり方のこと。任意規定と異なる慣習は、当事者がそれによる意思を有していると認められるときに従われます(民法92条)。用語ページを見る →があるときは、その慣習に従う」としておる。慣習も絡めると、なかなか込み入っておるのう。
地上権の民法266条2項との比較
| 民法266条2項(地上権) | 民法273条(永小作権) | |
|---|---|---|
| 準用の対象 | 地代について | 永小作人の義務について |
| 条件 | その性質に反しない限り | 同じ |
| 準用先 | 賃貸借に関する規定 | 同じ |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
地上権はお金の話だけ、永小作権は義務全般。範囲が違うんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。同じ「賃貸借を準用する」でも、どこまで借りるかは条文ごとに違う。準用規定を読むときは、必ず何を準用するのかを確かめるのじゃぞ。
資格別の演習
永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定が準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法273条がそのとおり定めています。
民法273条により、永小作人の権利についても賃貸借に関する規定が準用される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。条文は「永小作人の義務については」としており、権利については準用の対象としていません。
民法273条による準用は、この章の規定及び設定行為で定めるものがない場合に、その性質に反しない限りで行われる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文は「この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り」としています。