民法第646条・債権
民法第646条:受任者による受取物の引渡し等
受任者は委任事務の処理で受け取った金銭その他の物と収取した果実を引き渡し、自己の名で取得した権利を移転しなければなりません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
代わりに受け取ってもらったお金は、当然こっちのものだよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
引き渡す義務がある。 民法646条じゃ。果実果実物から生じる収益のこと。作物などの天然果実と、賃料などの法定果実があります(民法88条)。善意の占有者はこれを取得できます(民法189条1項)。用語ページを見る →も、自己の名で取得した権利も——すべて委任者へ、と定めておる。
条文
1 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。
2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。
| 項 | 対象 | 義務 |
|---|---|---|
| 1項前段 | 委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物 | 引き渡す |
| 1項後段 | 収取した果実 | 引き渡す |
| 2項 | 委任者のために自己の名で取得した権利 | 移転する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
2項の「自己の名で取得した」ってところが気になる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが読みどころじゃ。
代理権代理権本人に代わって法律行為をし、その効果を本人に生じさせることができる権限のこと。用語ページを見る →があれば、権利は直接委任者に帰属する——民法99条1項じゃな。
じゃが受任者が自分の名で取引したなら、権利はいったん受任者に帰属する。 それを委任者へ移せ、と2項が命じておる。
委任者のために動いた以上、成果は委任者のもの——そう読める。
果実まで含む
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
1項後段は果実にも及ぶ。 受け取った金の利息、預かった物から生じた収益——手元に留めさせぬ。
民法647条を見よ。 委任者に引き渡すべき金額を自分のために使えば、消費した日以後の利息を払わねばならぬ——厳しい定めじゃ。
なお民法665条により、この646条は寄託寄託当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる契約(民法657条)。用語ページを見る →にも準用されるぞ。
資格別の演習
受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならず、収取した果実についても同様である。
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解答:◯
正しい記述です。民法646条1項がそのとおり定めています。
受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法646条2項がそのとおり定めています。
受任者が委任事務の処理に当たって収取した果実は、受任者に帰属する。
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解答:×
誤りです。民法646条1項後段は、収取した果実についても委任者に引き渡さなければならないと定めています。