民法第101条・総則

民法第101条:代理行為の瑕疵

だまされたか、知っていたか。意思表示に問題があったかどうかは、原則として代理人について判断します。ただし特定の行為を委託した本人は、自分が知っていた事情を持ち出せません。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

代理人がだまされて契約しちゃったら、本人は「私はだまされてない」って言えるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

言えぬのじゃ。民法101条1項は、その事実の有無は代理人について決すると定めておる。実際に相手と向き合って意思表示をしたのは代理人じゃからのう。

1項:代理人がした意思表示

代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

条文が挙げる「影響を受けるべき」事情は、次のとおりです。

事情
意思の不存在
錯誤錯誤さくご意思表示の前提に勘違いがあること。民法95条1項が2種類を挙げ、その錯誤が重要なものであるときに取り消すことができます。用語ページを見る →
詐欺詐欺さぎだまして誤った判断をさせること。詐欺による意思表示は取り消すことができます(民法96条1項)が、その取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できません(同条3項)。用語ページを見る →
強迫強迫きょうはくおびやかして意思表示をさせること。民法96条1項により取り消すことができますが、同条2項・3項は詐欺のみを対象としており、強迫については定めがありません。用語ページを見る →
ある事情を知っていたこと悪意悪意あくいある特定の事情や事実を『知っている』こと。いじわるな心という意味ではありません。用語ページを見る →
知らなかったことにつき過失があったこと

これらの有無は、代理人について決するものとされます。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

だまされたかどうかも、知っていたかどうかも、ぜんぶ代理人を基準に見るんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そうじゃ。判断し、表示したのは代理人じゃからのう。本人の頭の中を基準にしては、相手方も裁判所も判断のしようがない。

2項:代理人が受けた意思表示

相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

1項 2項
意思表示の向き 代理人がした 代理人が受けた
対象となる事情 意思の不存在・錯誤・詐欺・強迫・知っていたこと・過失 知っていたこと・過失
判断の基準 代理人について決する 代理人について決する

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

受ける側の話じゃから、2項には錯誤や詐欺が並んでおらぬ。受け取る側で問題になるのは主観だけ——条文がきちんと絞っておるのう。

3項:本人が知っていた事情

特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

要素 内容
前提 特定の法律行為をすることを委託された代理人が、その行為をした
効果 本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張できない
後段 本人が過失によって知らなかった事情についても同様

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

ずるいことができないようにしてあるんだ! 自分は知ってるのに、知らない人を代理人に立てて「代理人は善意です」って言い張るの、封じられてる。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう見抜いたのう。1項・2項が「代理人を基準に」と定めた以上、本人が代理人を隠れみのにする道ができてしまう。3項はそこを塞ぐ規定じゃ。

ただし条件がある。「特定の法律行為をすることを委託された代理人が、その行為をしたとき」じゃ。何もかもを任された代理人の全行為に及ぶ、という書き方ではないぞ。

3つの項の関係

誰を基準にするか 働き
1項 代理人 代理人がした意思表示(原則)
2項 代理人 代理人が受けた意思表示(原則)
3項 本人の主観も見る 特定の行為の委託があった場合の例外

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

1項・2項が原則、3項が歯止め。代理人を基準にするが、本人の悪意まで洗い流しはしない——そう掴んでおけばよい。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

代理人が相手方に対してした意思表示の効力が詐欺によって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決する。

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解答:

正しい記述です。民法101条1項がそのとおり定めています。同項は、意思の不存在・錯誤錯誤さくご意思表示の前提に勘違いがあること。民法95条1項が2種類を挙げ、その錯誤が重要なものであるときに取り消すことができます。用語ページを見る →詐欺詐欺さぎだまして誤った判断をさせること。詐欺による意思表示は取り消すことができます(民法96条1項)が、その取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できません(同条3項)。用語ページを見る →強迫強迫きょうはくおびやかして意思表示をさせること。民法96条1項により取り消すことができますが、同条2項・3項は詐欺のみを対象としており、強迫については定めがありません。用語ページを見る →・ある事情を知っていたこと・知らなかったことにつき過失があったことを挙げています。

司法書士正誤問題AI生成類題

特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法101条3項前段がそのとおり定めています。同項後段により、本人が過失によって知らなかった事情についても同様です。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法101条3項は、代理人が本人から包括的に代理権を与えられている場合にも適用される。

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解答:×

誤りです。民法101条3項は「特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたとき」と要件を限定しています。包括的な代理権の授与一般について定めた規定ではありません。

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