民法第125条・総則
民法第125条:法定追認
追認をすることができる時以後に6つの事実のいずれかがあったときは、追認をしたものとみなされます。異議をとどめれば別ですが、黙って動けば確定してしまう条文です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「追認します」と言っていなくても、追認したことになる場合があるって本当?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
本当じゃ。民法125条の法定追認法定追認追認をすることができる時以後に、履行や履行の請求など民法125条が列挙する6つの事実があったときに、追認をしたものとみなされること。異議をとどめれば別です。用語ページを見る →じゃな。6つの事実のいずれかがあれば、追認をしたものとみなす。言葉ではなく、振る舞いで決まるのじゃ。
条文の内容
追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。 一 全部又は一部の履行 二 履行の請求 三 更改 四 担保の供与 五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡 六 強制執行
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 追認をすることができる時以後に |
| 対象 | 取り消すことができる行為について |
| 効果 | 次の事実があったときは、追認をしたものとみなす |
| ただし書 | 異議をとどめたとき |
6つの事実
| 号 | 事実 |
|---|---|
| 一 | 全部又は一部の履行 |
| 二 | 履行の請求 |
| 三 | 更改 |
| 四 | 担保の供与 |
| 五 | 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡 |
| 六 | 強制執行 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どれも「その契約が有効だという前提で動いてる」ように見えるね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
まさにそこじゃ。取り消せる立場にありながら、契約を前提とした行動をとる。相手方から見れば「もう取り消す気はないのだな」と受け取るのが自然じゃろう。その信頼を裏切らせぬのが125条の狙いじゃな。
「追認をすることができる時以後」
条文は時期を限っています。この「追認をすることができる時」は、民法124条の要件を満たした時です。
| 民法124条1項の要件 |
|---|
| 取消しの原因となっていた状況が消滅したこと |
| 取消権を有することを知ったこと |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
だまされている最中に代金を払っても、法定追認にはならないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そう読める。まだ追認できる状態に至っておらぬからのう。125条の「以後」の一語が、124条を呼び込んでおるのじゃ。この2か条は必ずセットで読むのじゃぞ。
ただし書:異議をとどめたとき
ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「取消権は保留したうえで、とりあえず履行しておく」——そう断っておけば、みなされぬ。行動と意思が食い違うときは、意思を優先させる道を残しておるのじゃな。
逆に言えば、黙って動けば確定してしまう。取消権を持つ者は、動く前に一言添えるかどうかを考えねばならぬ。
二号「履行の請求」に注意
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
一号は自分が履行する場合だよね。二号は「請求」だから、相手に求める場合?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「履行の請求」とだけ書いておる。誰がした請求かは書かれておらぬ。書かれておらぬところを、覚えた話で決めつけてはならぬぞ。
ここで押さえるべきは、6つが条文上の限定列挙であることじゃ。列挙の外の事実で法定追認となることはない、と読むのが素直じゃな。
追認をめぐる4か条
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法122条 | 追認すると、以後、取り消すことができない |
| 民法123条 | 取消し・追認は相手方に対する意思表示による |
| 民法124条 | 追認の要件(状況の消滅+取消権を知ったこと) |
| 民法125条 | 一定の事実があれば追認とみなす(異議をとどめたときを除く) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
123条が「言葉でする追認」、125条が「行いによる追認」じゃ。どちらの道でも、行き着く先は122条の「以後、取り消すことができない」でな。取消権が消える出口が2つある、と掴んでおくとよい。
資格別の演習
追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について全部又は一部の履行があったときは、原則として追認をしたものとみなされる。
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解答:◯
正しい記述です。民法125条1号がそのとおり定めています。ただし書により、異議をとどめたときはこの限りでありません。
取り消すことができる行為について履行があったときは、それが追認をすることができる時より前であっても、追認をしたものとみなされる。
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解答:×
誤りです。民法125条は「追認をすることができる時以後に」と時期を限定しています。この時期は民法124条の要件を満たした時です。
民法125条が法定追認の事実として挙げるのは、全部又は一部の履行、履行の請求、更改、担保の供与、取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡、強制執行の6つである。
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解答:◯
正しい記述です。民法125条1号から6号までがそのとおり列挙しています。
民法125条各号の事実があったときは、異議をとどめていた場合であっても、追認をしたものとみなされる。
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解答:×
誤りです。民法125条ただし書は「異議をとどめたときは、この限りでない」と定めています。異議をとどめていれば、法定追認の効果は生じません。