民法第437条・債権
民法第437条:連帯債務者の一人についての法律行為の無効等
一人について無効や取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は効力を妨げられません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
連帯債務者のひとりが未成年者で、契約を取り消したら? 全部なかったことになる?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ならぬ。民法437条じゃ。他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない——連帯債務の独立性を示す条文じゃぞ。
条文の内容
連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 連帯債務者の一人について法律行為の無効無効はじめから法律効果が生じないこと。取消しと違い、誰かが主張しなくても効力はありません。用語ページを見る →又は取消し取消し一応有効に成立した法律行為を、取消権者の主張によってはじめにさかのぼって無効とすること。用語ページを見る →の原因があった |
| 効果 | 他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ひとりの事情で、他の人が助かるわけじゃないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが要じゃ。連帯債務は、人数分の独立した債務が並んでおる——そう捉えるとよい。
一本の債務を数人で背負っておるのではない。それぞれが全額の債務を負い、互いに結びついておるのじゃ。だから一本が倒れても、他は立っておる。
「妨げられない」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の言葉は「その効力を妨げられない」じゃ。額が減るとも書かれておらぬ。
取り消した者の債務は消える。じゃが他の者は、なお全額の債務を負う——そう読める書きぶりじゃな。
そのうえで、内部の負担部分負担部分連帯債務者の間で内部的に定まる各自の分担の割合。求償の額を決める基準となります(民法442条1項)。用語ページを見る →がどうなるかは、また別の問題じゃ。民法442条以下の求償の話になるのう。
平成29年改正で条番号が動いた
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
この条文、前は違う番号だったの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。改正前の民法433条が、この内容を定めておった。改正で437条に移ったのじゃ。
そして改正前の437条は「連帯債務者の一人に対する免除」——絶対的効力を定める規定じゃったが、改正で削られた。
つまり同じ437条という番号でも、改正前と後で中身がまったく違う。古い教材や古い判例を読むときは、必ず条文を確かめよ——このシリーズでくり返し言うておることじゃな。
独立性を示す条文
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法437条 | 無効・取消しの原因は他に影響しない |
| 民法441条 | 相対的効力の原則相対的効力の原則連帯債務者や連帯債権者の一人について生じた事由は、条文が定める場合を除き、他の者に効力を生じないという原則(民法441条・435条の2)。用語ページを見る →(列挙以外は他に効力を生じない) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
437条は成立の段階、441条はその後に生じた事由——時点が違う。両方あってはじめて、連帯債務の独立性が守られておるのじゃ。
資格別の演習
連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務はその効力を妨げられない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法437条がそのとおり定めています。
連帯債務者の一人が制限行為能力を理由に契約を取り消したときは、他の連帯債務者の債務も消滅する。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法437条は、他の連帯債務者の債務は「その効力を妨げられない」と定めています。
民法437条の規定は、不可分債務についても準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法430条は民法440条を除く第四款(連帯債務)の規定を不可分債務に準用しています。