民法第334条・物権
民法第334条:先取特権と動産質権との競合
動産質権者は、第1順位の先取特権者と同じ権利を持ちます。占有を伴う担保は強い、という考え方の表れです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
同じ動産に先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →と質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →があったら? どっちが勝つの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法334条じゃ。動産質権者は、第1順位の先取特権者と同じ扱いになる。
条文の内容
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第三百三十条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 先取特権と動産質権とが競合 |
| 効果 | 動産質権者は、民法330条による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
第1順位ってことは、不動産の賃貸・旅館の宿泊・運輸と同じ扱いだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。そしてその3つに共通するのは何じゃったか。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
他人の動産を、自分の場所や手元に置いている!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう覚えておったのう。質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →も同じじゃ。民法344条により目的物の引渡しがなければ効力を生じないし、民法352条により継続して占有しなければ第三者に対抗できない。
物を手元に置いておる担保は強い——民法330条1項1号と334条は、同じ思想でつながっておるのじゃ。
「同一の権利を有する」
条文は「第1順位に属する」ではなく「第1順位の先取特権者と同一の権利を有する」と書いています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここは丁寧な書き方じゃな。質権は先取特権ではないゆえ、順位表にそのまま並べるわけにはいかぬ。じゃから「同じ権利を持つ」という言い方をしておる。
そして同一の権利である以上、民法330条2項の制限も及ぶと読めよう。債権取得の時に第2・第3順位の者があることを知っていたときは、優先権を行使できぬ——そこも同じ、ということじゃな。
担保物権が競合する場面
| 条文 | 競合 | 結論 |
|---|---|---|
| 民法329条2項 | 一般の先取特権 × 特別の先取特権特別の先取特権債務者の特定の動産又は不動産について成立する先取特権(民法311条・325条)。一般の先取特権と競合するときは、これに優先します(民法329条2項)。用語ページを見る → | 特別が優先(共益の費用は例外) |
| 民法339条 | 登記した不動産保存・工事の先取特権 × 抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る → | 先取特権が優先 |
| 民法334条 | 先取特権 × 動産質権 | 動産質権者=第1順位の先取特権者 |
資格別の演習
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、民法330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する。
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解答:◯
正しい記述です。民法334条がそのとおり定めています。
先取特権と動産質権とが競合する場合、動産質権は常に先取特権に劣後する。
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解答:×
誤りです。民法334条により、動産質権者は第1順位の先取特権者と同一の権利を有します。
民法334条により動産質権者が第1順位の先取特権者と同一の権利を有するとされることは、動産質権が目的物の占有を伴う担保物権であることと整合する。
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解答:◯
正しい記述です。民法330条1項1号の第1順位に置かれた3つの先取特権も、いずれも他人の動産を自己の場所や手元に置く類型です。質権も民法344条・352条により占有が要件とされています。