民法第457条・債権
民法第457条:主たる債務者について生じた事由の効力
時効の完成猶予・更新は保証人にも及びます。主たる債務者の抗弁を対抗でき、履行を拒むこともできます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
主たる債務者主たる債務者保証の対象となる債務(主たる債務)を負う者のこと。保証人はその履行を担保します(民法446条1項)。用語ページを見る →に起きたことは、保証人にも影響するの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
する。民法457条じゃ。3項それぞれが別の場面を扱う——付従性付従性ある権利が他の権利にくっついて動く性質のこと。地役権は要役地の所有権とともに移転し、要役地から分離して譲り渡すことができません(民法281条)。用語ページを見る →の中心条文じゃぞ。
1項:時効の完成猶予・更新
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による**完成猶予完成猶予一定の事由がある間、時効が完成しないこと(民法147条以下)。それまで経過した期間はそのまま残る点で、振り出しに戻る更新と異なります。用語ページを見る →及び更新更新時効が新たにその進行を始めること(民法147条2項・148条2項・152条1項)。それまで経過した期間はリセットされます。用語ページを見る →** |
| 効果 | 保証人に対しても、その効力を生ずる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
主たる債務者に請求すれば、保証人の時効も止まるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。連帯債務とは扱いが違うぞ。
民法441条により、連帯債務では履行の請求は相対的効力——他の債務者には及ばぬ。じゃが保証では及ぶ。付従性があるからじゃな。
連帯債務と保証を混ぜぬこと。ここは試験でよく狙われるぞ。
2項:主たる債務者の抗弁
保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
主たる債務者の言い分を、そのまま使える。同時履行の抗弁でも、弁済の事実でも——主たる債務者が言えることは保証人も言えるという書きぶりじゃな。
民法423条の4が、債権者代位権債権者代位権債権者が自己の債権を保全するため必要があるときに、債務者に属する権利を代わりに行使できる制度(民法423条1項)。用語ページを見る →の相手方について同じ考え方を採っておったのう。
3項:履行拒絶権
主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
| # | 主たる債務者が有する権利 |
|---|---|
| ① | 相殺相殺互いに同種の債務を負う者の一方の意思表示により、対当額で双方の債務を消滅させること(民法505条)。用語ページを見る →権 |
| ② | 取消し取消し一応有効に成立した法律行為を、取消権者の主張によってはじめにさかのぼって無効とすること。用語ページを見る →権 |
| ③ | 解除権 |
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 範囲 | これらの権利の行使によって主たる債務者が債務を免れるべき限度において |
| 効果 | 保証人は、債務の履行を拒むことができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
保証人が代わりに取り消したりはできないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが要じゃ。できるのは履行を拒むことだけ。権利の行使は本人にしかできぬ。
民法439条2項も同じ形じゃった——連帯債務者は履行を拒むことができるにとどまる。平成29年改正が採った統一的な解き方じゃな。
主たる債務の時効期間が延びたら
最高裁は、主たる債務の短期消滅時効期間が延長された場合について、次のように判断しました。
民法一七四条ノ二の規定によつて主たる債務者の債務の短期消滅時効期間が一〇年に延長されるときは、これに応じて保証人の債務の消滅時効期間も同じく一〇年に変ずるものと解すべきである。 (最判昭和46年7月23日・集民第103号457頁)
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
主たる債務の時効が延びれば、保証債務の時効も延びる——付従性の現れじゃな。
なお、判決にいう民法174条ノ2は、確定判決によって確定した権利の時効期間を定めた改正前の規定じゃ。現行法では民法169条が同趣旨を定めておる。条文番号が動いたことを押さえておけ。
資格別の演習
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対してもその効力を生ずる。
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解答:◯
正しい記述です。民法457条1項がそのとおり定めています。
保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法457条2項がそのとおり定めています。
主たる債務者が債権者に対して取消権を有するときは、保証人はその取消権を行使することができる。
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解答:×
誤りです。民法457条3項は、保証人は債務の「履行を拒むことができる」と定めるにとどまり、権利の行使を認めるものではありません。
一次情報を確認する
- e-Gov法令検索:民法第457条
- 最判昭和46年7月23日(集民 第103号457頁)(昭和45(オ)622)