民法第499条・債権
民法第499条:弁済による代位の要件
債務者のために弁済をした者は、正当な利益の有無を問わず債権者に代位します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
保証人が払ったら、求償できるのは分かる。でも「代位」って別のもの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
別のものじゃ。 求償権求償権他人のために出捐した者が、その負担すべき者に対して返還を求める権利のこと。物上保証人は、保証債務に関する規定に従い債務者に求償できます(民法351条)。用語ページを見る →は自分の権利、代位は債権者の権利を引き継ぐこと——二本立てでな。民法499条が、その入口じゃぞ。
条文
債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 債務者のために弁済をした者 |
| 効果 | 債権者に代位する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
たった一文! 昔はもっと条件があったよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
平成29年改正で、ここが大きく整理された。
改正前は「正当な利益を有する者」の法定代位と、それ以外の任意代位(債権者の承諾が必要)を分けておった。今の民法499条は分けておらぬ。弁済をすれば代位する——それだけじゃ。
正当な利益の有無は、どこで効いてくるか。 次の民法500条じゃ。 代位の成否ではなく、対抗要件の要否に移されたのじゃな。
求償権と代位の関係
| 求償権求償権他人のために出捐した者が、その負担すべき者に対して返還を求める権利のこと。物上保証人は、保証債務に関する規定に従い債務者に求償できます(民法351条)。用語ページを見る → | 弁済による代位弁済による代位債務者のために弁済をした者が債権者に代位し、債権の効力及び担保として債権者が有していた一切の権利を行使できるようになること(民法499条・501条1項)。用語ページを見る → | |
|---|---|---|
| 性質 | 弁済者自身の権利 | 債権者が持っていた権利の行使 |
| 根拠 | 民法459条以下、442条 ほか | 民法499条・501条 |
| 担保 | 自前では付いていない | 債権者の担保をそのまま使える(民法501条1項) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
担保が使えるのが大きいんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが代位の値打ちじゃ。 求償権だけでは、ただの無担保債権でしかない。抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →も保証債務保証債務主たる債務者が債務を履行しないときに、保証人がその履行をする責任を負う債務(民法446条1項)。保証契約は書面でしなければ効力を生じません。用語ページを見る →も付いてこぬ。
代位すれば、債権者が握っておった担保をそっくり引き継げる——民法501条1項が「担保としてその債権者が有していた一切の権利」と書いておるとおりじゃ。
求償権を確保するための道具——それが代位じゃな。 民法501条2項が、代位の範囲を求償できる範囲に限っておるのも、その表れじゃ。
「債務者のために」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「債務者のために弁済をした者」と書いておる。 自分の債務として払った者は含まぬと読める書きぶりじゃな。
保証人、物上保証人物上保証人他人の債務を担保するため自分の財産に担保権を設定した者のこと。債務を弁済し又は質物の所有権を失ったときは、債務者に求償権を有します(民法351条)。用語ページを見る →、第三取得者第三取得者担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る →、その他の第三者——他人の債務を消した者が、この条文の主役じゃ。
資格別の演習
債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。
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解答:◯
正しい記述です。民法499条がそのとおり定めています。
弁済をするについて正当な利益を有しない第三者が弁済をした場合には、債権者の承諾がなければ債権者に代位することができない。
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解答:×
誤りです。民法499条は「債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する」と定めるのみで、債権者の承諾を要件としていません。正当な利益の有無は、民法500条による対抗要件の要否に関わります。
弁済による代位は、弁済者が債務者に対して有する求償権とは別の権利であり、代位者は債権者が有していた担保権を行使することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法501条1項は、債権者に代位した者が「債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる」と定めています。