民法第271条・物権
民法第271条:永小作人による土地の変更の制限
回復できない損害を生じる変更は加えられません。いずれ返す土地だからこその制約です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
永小作権永小作権小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →は50年も続くんだよね(民法278条1項)。それだけ長く使うなら、土地を好きに作り替えてもいい?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうはいかぬ。民法271条が線を引いておる。回復することのできない損害——そこが越えてはならぬ一線じゃ。
条文の内容
永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 永小作人 |
| 何を | 土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更 |
| 効果 | 加えることができない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「回復することのできない」がポイントだね。直せる変更ならいいんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の文言からは、そう読める。耕作や牧畜のためには、土を耕し、水路を引き、柵を立てる——土地に手を加えねば何もできぬからのう。
禁じられておるのは、元に戻せなくなる変更だけじゃ。永小作権はいずれ終わる(民法278条)。返すときに使いものにならぬ土地を返してはならぬ、という当たり前の要請じゃな。
共有物の変更(民法251条)との比べ方
| 民法251条1項(共有物の変更) | 民法271条(永小作人) | |
|---|---|---|
| 誰の権利を守るか | 他の共有者 | 土地の所有者 |
| 基準 | その形状又は効用の著しい変更 | 回復することのできない損害を生ずべき変更 |
| 例外 | 他の共有者の同意があればできる | 条文に定めなし |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法251条は「同意があればできる」と抜け道を用意しておったが、271条にはそれが無い。条文が用意していない例外を、勝手に読み込んではならぬぞ。
慣習が優先する
民法277条は「第二百七十一条から前条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う」と定めます。民法271条から276条までが対象です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第五章にも慣習慣習その社会や取引で繰り返し行われてきたやり方のこと。任意規定と異なる慣習は、当事者がそれによる意思を有していると認められるときに従われます(民法92条)。用語ページを見る →への譲りがある。土地と農にまつわる条文には、必ずこれが付いて回るのう。
資格別の演習
永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法271条がそのとおり定めています。
永小作人は、土地に対していかなる変更も加えることができない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。条文が禁じているのは「回復することのできない損害を生ずべき変更」であり、あらゆる変更を禁じるものではありません。
民法271条から276条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法277条が「第二百七十一条から前条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う」と定めています。