民法第417条の2・債権
民法第417条の2:中間利息の控除
将来の利益や費用の賠償額から利息相当額を控除するとき、請求権が生じた時点の法定利率によります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「あと30年働けたはずの収入」を今もらったら、運用できるぶん得しちゃうよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭いのう。それを調整するのが**中間利息の控除中間利息の控除将来取得すべき利益の賠償額を定めるとき、その利益を取得すべき時までの利息相当額を差し引くこと。損害賠償請求権が生じた時点の法定利率によります(民法417条の2)。用語ページを見る →**じゃ。民法417条の2は、平成29年改正で新設された条文じゃぞ。
1項:将来の利益
将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める |
| 何を | その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除 |
| 基準 | その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率法定利率別段の意思表示がないときに適用される利率。年3パーセントを出発点として、3年を一期として変動します(民法404条2項・3項)。用語ページを見る → |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
基準時が「請求権が生じた時点」なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが要じゃ。法定利率は3年ごとに変動する(民法404条3項)。じゃからいつの利率かを決めておかねば、計算ができぬ。
民法404条1項は「利息が生じた最初の時点」、民法419条1項は「遅滞の責任を負った最初の時点」、そして417条の2は「損害賠償の請求権が生じた時点」——それぞれの場面にふさわしい時点を、条文が書き分けておるのじゃな。
2項:将来の費用
将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。
| 1項 | 2項 | |
|---|---|---|
| 対象 | 将来において取得すべき利益 | 将来において負担すべき費用 |
| 基準 | 請求権が生じた時点の法定利率 | 同様 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
もらえるはずのものも、払うことになるものも、同じ扱いじゃ。将来の金額を今の値に直すという点で、問題は同じじゃからのう。
民事法定利率によるという判例
改正前から、最高裁は次のように判断していました。
損害賠償額の算定に当たり,被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない。 (最判平成17年6月14日・民集第59巻5号983頁)
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
条文がなかった時代から、判例が決めてたんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。要旨は「民事法定利率によらなければならない」と言い切っておる。
平成29年改正は、この判例の結論を条文にしたうえで、どの時点の法定利率かまで明らかにした。判例が条文になる——法が育つ姿のひとつじゃな。
不法行為にも準用
民法722条1項は「第四百十七条及び第四百十七条の二の規定は、不法行為による損害賠償について準用する」と定めます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
平成17年判決も、もともと不法行為の事案じゃった(参照法条に民法709条が挙がっておる)。722条1項の準用によって、条文の上でもつながったというわけじゃ。
資格別の演習
将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率による。
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解答:◯
正しい記述です。民法417条の2第1項がそのとおり定めています。
将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合の中間利息の控除も、民法417条の2第1項と同様に行う。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法417条の2第2項がそのとおり定めています。
損害賠償額の算定に当たり、被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は、民事法定利率によらなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。最判平成17年6月14日(民集第59巻5号983頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。
一次情報を確認する
- e-Gov法令検索:民法第417条の2
- 最判平成17年6月14日(民集 第59巻5号983頁)(平成16(受)1888)