民法第343条・物権
民法第343条:質権の目的
譲り渡すことができない物には質権を設定できません。担保は最後に換価してこそ意味がある、という理屈です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どんな物でも質に入れられるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法343条が一線を引いておる。譲り渡すことができない物はだめじゃ。短い条文じゃが、担保の本質を突いておるぞ。
条文の内容
質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象外 | 譲り渡すことができない物 |
| 効果 | その目的とすることができない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして「譲り渡せる」ことが要るの? 預かるだけなのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
預かるだけではないからじゃ。民法342条を思い出せ。質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →には**優先弁済優先弁済他の債権者に先立って自分の債権の弁済を受けること。先取特権の中心的な効力です(民法303条)。用語ページを見る →を受ける権利**がある。弁済されねば、最後はその物を換価して回収することになる。
ところが譲り渡せぬ物では、換価のしようがない。担保としての働きを果たせぬのじゃな。
民法175条とのつながり
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法175条の物権法定主義物権法定主義物権は法律に定めるもののほか創設することができない、という原則(民法175条)。当事者が合意しても、新しい種類の物権を勝手に作ることはできません。用語ページを見る →を思い出すのじゃ。物権は法律の定めるものに限られる。
そして343条は、質権という物権の中身に制限をかける条文じゃ。当事者がどんな物にでも質権を設定できるわけではない——民法は、担保物権の輪郭を条文で描いておるのじゃな。
質権設定の要件をまとめる
| 条文 | 要件 |
|---|---|
| 民法343条 | 譲り渡すことができない物ではないこと |
| 民法344条 | 目的物の引渡し(引き渡すことによって効力を生ずる) |
| 民法345条 | 設定者に代理占有させないこと |
| 民法349条 | 流質契約をしないこと(弁済期前) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
4つも制限があるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
質権は、債務者から物を取り上げるという強い担保じゃからのう。入口を厳しくして、濫用を防いでおると読める。とくに民法349条の流質契約流質契約設定行為又は債務の弁済期前の契約で、質権者に弁済として質物の所有権を取得させる等を約すること。民法349条はこれを禁じています。用語ページを見る →の禁止は、弱い立場の債務者を守るための条文じゃ。
資格別の演習
質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法343条がそのとおり定めています。
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。
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解答:◯
正しい記述です。民法344条がそのとおり定めています。
民法343条が譲渡できない物を質権の目的から除いているのは、質権が優先弁済を受ける権利を含むことと整合する。
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解答:◯
正しい記述です。民法342条は質権者が「他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と定めており、換価できない物では担保としての機能を果たせません。