民法第336条・物権
民法第336条:一般の先取特権の対抗力
登記がなくても、特別担保を有しない債権者には対抗できます。ただし登記をした第三者には勝てません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
一般の先取特権一般の先取特権債務者の総財産について成立する先取特権(民法306条)。共益の費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式の費用・日用品の供給の5つの原因によって生じます。用語ページを見る →は不動産にも及ぶ(民法335条1項)。じゃあ登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →は要るの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法336条じゃ。要らぬ相手と、要る相手がある。そこを書き分けておる。
条文の内容
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。
| 相手 | 登記の要否 |
|---|---|
| 特別担保を有しない債権者 | 登記なしで対抗できる |
| 登記をした第三者 | 対抗できない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ふつうの債権者には登記なしで勝てるけど、登記した人には負けるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そういうことじゃ。登記まで備えて不動産を当てにしておる者——抵当権者や、不動産を買って登記した者じゃな——には敵わぬ。
一般の先取特権は、法律が黙って与えるものじゃからのう(民法303条)。外から見えぬ担保が、見える担保を打ち負かしてはならぬ——民法177条の対抗要件対抗要件当事者間で成立した権利関係を、第三者に対して『自分が権利者だ』と主張するために必要な要件(不動産における登記など)。用語ページを見る →の思想と同じ根じゃ。
不動産の先取特権との違い
| 一般の先取特権一般の先取特権債務者の総財産について成立する先取特権(民法306条)。共益の費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式の費用・日用品の供給の5つの原因によって生じます。用語ページを見る →(民法336条) | 不動産の先取特権(民法337条〜340条) | |
|---|---|---|
| 登記なしで | 特別担保を有しない債権者に対抗できる | 効力を保存できない |
| 登記の時期 | (定めなし) | 保存:完了後直ちに/工事:着工前/売買:契約と同時 |
| 抵当権との関係 | 登記した第三者に対抗できない | 保存・工事は抵当権に優先(民法339条) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
不動産の先取特権のほうが、登記に厳しいんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのかわり見返りも大きい。登記さえすれば抵当権に勝てる(民法339条)のじゃからな。
一般の先取特権は広く弱く、不動産の先取特権は狭く強い——そう対比して掴んでおくとよい。
民法335条3項とのつながり
民法335条3項も「登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない」としていました。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
336条ただし書と、同じ言葉じゃな。登記をした第三者は、一般の先取特権に対して強い——第四節を通じて一貫しておる。
資格別の演習
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法336条本文がそのとおり定めています。
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、登記をした第三者に対抗することができる。
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解答:×
誤りです。民法336条ただし書は「登記をした第三者に対しては、この限りでない」としています。
不動産の保存の先取特権は、登記をしなければその効力を保存することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法337条が「保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない」としています。登記なしで一定の債権者に対抗できる一般の先取特権(民法336条)とは扱いが異なります。