民法第131条・総則
民法第131条:既成条件
法律行為の時にすでに勝負がついていた条件の扱いです。停止条件か解除条件か、成就していたか否かで、無条件と無効に振り分けられます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「試験に受かったら車をあげる」と言われたけど、実はもう合格発表が出ていて受かってた——こういうときは?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それが既成条件既成条件法律行為の時に、すでに成就していた条件、又は成就しないことが確定していた条件のこと。民法131条が、停止条件か解除条件かに応じて無条件又は無効に振り分けます。用語ページを見る →じゃ。法律行為の時に、すでに勝負がついておる場合でな。民法131条が4通りに仕分けておる。表で押さえるのが早いぞ。
1項:すでに成就していた場合
条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
| 条件の種類 | 効果 |
|---|---|
| 停止条件停止条件成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る → | その法律行為は無条件 |
| 解除条件解除条件成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る → | その法律行為は無効 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
理屈を追えば当たり前じゃ。停止条件はもう成就しておるのじゃから、効力を止めておく理由がない——はじめから普通の法律行為として扱えばよい。それが「無条件」じゃな。
解除条件のほうは、成就すれば効力を失う。すでに成就しておるのなら、生まれた瞬間に消える。ならば無効とするほかあるまい。
2項:成就しないことが確定していた場合
条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
| 条件の種類 | 効果 |
|---|---|
| 停止条件 | その法律行為は無効 |
| 解除条件 | その法律行為は無条件 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
1項とちょうど逆になってる!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。まとめて一枚の表にすると、こうなる。
| 停止条件 | 解除条件 | |
|---|---|---|
| すでに成就していた(1項) | 無条件 | 無効 |
| 成就しないことが確定していた(2項) | 無効 | 無条件 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
覚え方はこうじゃ。その条件が「効力を生じさせる向き」に働くなら無条件、「効力を消す向き」に働くなら無効。停止条件の成就は効力を生じさせ、解除条件の成就は効力を消す。逆に成就しないと確定すれば、それぞれが裏返る。表を丸暗記せずとも、向きで導けるのじゃ。
3項:知らない間は128条・129条を準用
前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 場面 | 1項・2項に規定する場合 |
| いつ | 当事者が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間 |
| 効果 | 民法128条(相手方の利益の侵害の禁止)及び民法129条(処分等)を準用 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
結論はもう出てるのに、知らない間は「まだ決まってない」扱いになるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当事者から見れば、宙づりのままじゃからのう。知らずに相手の利益を害することもあれば、知らずに条件付きの権利を譲ることもある。知らない者の立場に合わせて条文を働かせる——きめ細かい手当てじゃな。
131条から134条までの並び
民法131条から134条までは、いずれも「そもそも条件として機能するのか」を仕分ける条文です。
| 条文 | 扱う場面 | 主な効果 |
|---|---|---|
| 民法131条 | 既成条件(すでに勝負がついている) | 無条件又は無効 |
| 民法132条 | 不法条件不法条件不法な条件のこと。これを付した法律行為は無効であり、「不法な行為をしないこと」を条件とするものも同じく無効です(民法132条)。用語ページを見る → | 無効 |
| 民法133条 | 不能条件不能条件成就しえない条件のこと。停止条件であれば法律行為は無効、解除条件であれば無条件となります(民法133条)。用語ページを見る → | 無効(停止条件)/無条件(解除条件) |
| 民法134条 | 随意条件随意条件成否が当事者の意思次第で決まる条件のこと。停止条件が単に債務者の意思のみに係るときは、その法律行為は無効です(民法134条)。用語ページを見る → | 無効(債務者の意思のみに係る停止条件) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
127条から130条までが「まともな条件」の扱いを定め、131条から134条までが「条件として扱ってよいか」をふるいにかける。第五節の前半は、この二段構えでできておるのじゃ。
資格別の演習
条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときは、その法律行為は無条件となる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法131条1項がそのとおり定めています。同項は、その条件が解除条件解除条件成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →であるときは無効とすることもあわせて定めています。
条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が解除条件であるときは、その法律行為は無効となる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法131条2項は、その条件が解除条件解除条件成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →であるときは「その法律行為は無条件とする」と定めています。無効となるのは停止条件停止条件成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →である場合です。
民法131条1項又は2項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、民法128条及び129条の規定が準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法131条3項がそのとおり定めています。すでに結論が確定していても、当事者がそれを知らない間は条件の成否未定の場合と同様に扱われます。