民法第264条の11・物権
民法第264条の11:管理不全土地管理人の義務
管理不全土地管理人も、所有者のために善管注意義務を負います。土地が共有なら、共有持分を有する者全員のために誠実かつ公平に。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
管理を怠っていた所有者のために働くの? 迷惑をかけられた隣人のためじゃなくて?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文はそう定めておる。民法264条の11じゃ。民法264条の5と、ほぼ同じ形でな。ここは第四節と第五節で揃えられておる。
1項:所有者のために善管注意義務
管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰のために | 管理不全土地等の所有者のために |
| どの程度 | 善良な管理者の注意善良な管理者の注意その立場の人に通常求められる程度の注意のこと。共有物を使用する共有者や各種の管理人が負う注意義務の基準です(民法249条3項・264条の5第1項など)。用語ページを見る →をもって |
| 何を | その権限を行使しなければならない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
管理を怠っていた人のために、なんだね……。なんだか納得いかないような。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
気持ちは分かる。じゃが考えてみよ。管理人が隣人のために働くとしたらどうなる。土地を隣人に都合よく使い、あげく安く処分してしまうかもしれぬ。それでは他人の財産を取り上げる制度になってしまう。
管理人は、あくまで所有者の財産を預かる者じゃ。近隣の迷惑を止めるのは、その結果として起きること——そう捉えるとよい。だからこそ民法264条の10第3項は、処分に所有者の同意を求めておるのじゃな。
2項:共有の場合は誠実かつ公平に
管理不全土地等が数人の共有に属する場合には、管理不全土地管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 管理不全土地等が数人の共有に属する場合 |
| 誰のために | その共有持分を有する者全員のために |
| どのように | 誠実かつ公平に |
民法264条の5との読み比べ
| 民法264条の5(所有者不明) | 民法264条の11(管理不全) | |
|---|---|---|
| 1項 | 所有者(共有持分を有する者を含む)のために | 所有者のために |
| 2項の場面 | 数人の者の共有持分を対象として管理命令が発せられたとき | 管理不全土地等が数人の共有に属するとき |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう似ておるが、2項の書き出しが違うのう。第四節は共有持分そのものを対象に命令できる(民法264条の2第1項)ゆえ、その場合を指しておる。第五節は土地そのものが対象じゃから、その土地がたまたま共有だったときを指す。命令の対象の作りの差が、義務の条文にまで及んでおるのじゃ。
資格別の演習
管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法264条の11第1項がそのとおり定めています。
管理不全土地管理人は、管理命令を請求した利害関係人のために、その権限を行使しなければならない。
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解答:×
誤りです。民法264条の11第1項は「管理不全土地等の所有者のために」と定めています。
管理不全土地等が数人の共有に属する場合には、管理不全土地管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法264条の11第2項がそのとおり定めています。