民法第526条・債権
民法第526条:申込者の死亡等
申込者の死亡・意思能力の喪失・行為能力の制限は、意思の表示があったか相手方が知ったときに申込みを失効させます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
申込みをした人が亡くなったら、その申込みはどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当然には消えぬ。 民法526条じゃ。二つの入口のどちらかを通ってはじめて効力を失う——そこが読みどころじゃぞ。
条文
申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けた場合において、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。
| 事実 | 条文の言葉 |
|---|---|
| ① | 死亡 |
| ② | 意思能力意思能力自分のした行為がどんな結果を生むかを判断できる能力のこと。これを欠いた状態でした法律行為は無効です(民法3条の2)。用語ページを見る →を有しない常況にある者となった |
| ③ | 行為能力行為能力自分ひとりで確定的に有効な法律行為をすることができる資格のこと。年齢や審判によって画一的に決まる点が、行為ごとに判断される意思能力と違います。用語ページを見る →の制限を受けた |
| 失効する場合 | 条文の言葉 |
|---|---|
| A | 申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき |
| B | 相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったとき |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
AかBのどちらかを満たさないと、申込みは生きたままなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが要じゃ。 「その事実が生じた」だけでは足りぬ。
Aは申込者の意思——あらかじめそう言っておいた場合じゃ。 Bは相手方の認識——知らずに承諾したなら、契約は成立しうる、と読める。
相手方は申込みを信じて動いておるからのう。知らぬまま覆されては困る——そこを守っておるのじゃ。
「承諾の通知を発するまでに」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ここは「発する」なんだ。到達じゃなくて。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく見比べたのう。 民法523条2項は「承諾の通知を受けなかったとき」——到達じゃった。
こちらは「発するまでに」——発信の時点で知っていたかを問う書きぶりじゃな。
承諾を発してしまえば、相手方はもう動き出しておる。 その後で知っても遅い——そう読める線引きじゃ。
民法97条3項との関係
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法97条3項を思い出せ。 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられぬ——それが原則じゃった。
民法526条は、その原則を申込みの場面で修正する条文じゃな。原則は効力を妨げられぬ、しかしAかBならば効力を有しない——そういう関係と読める。
民法97条3項と並べて覚えると、両方が定着するぞ。
資格別の演習
申込者が申込みの通知を発した後に死亡した場合において、その相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは効力を有しない。
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解答:◯
正しい記述です。民法526条がそのとおり定めています。
申込者が申込みの通知を発した後に死亡したときは、その申込みは当然に効力を失う。
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解答:×
誤りです。民法526条は、申込者がその事実が生じたとすれば申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又は相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときに限って効力を有しないと定めています。
申込者が申込みの通知を発した後に行為能力の制限を受けた場合、相手方が承諾の通知を発した後にその事実を知ったときも、その申込みは効力を有しない。
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解答:×
誤りです。民法526条は「その相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったとき」と定めており、承諾の通知を発した後に知った場合は含まれません。