民法第520条・債権
民法第520条:混同
債権及び債務が同一人に帰属したときは債権は消滅しますが、その債権が第三者の権利の目的であるときは別です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
自分が自分にお金を貸してる状態って、あり得るの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
相続などで起こりうる。 そのとき債権は消える——**混同混同同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときに、その他の物権が消滅すること(民法179条1項)。自分の物に自分の制限物権を残しておく意味がないためです。用語ページを見る →**じゃ。民法520条じゃぞ。
条文
債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 債権及び債務が同一人に帰属した |
| 原則 | その債権は、消滅する |
| ただし書 | その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
自分に請求しても意味がないもんね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。 請求する相手が自分では、債権が働く場がない——だから消える。
じゃがただし書を見よ。 その債権に質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →が設定されておるような場合——質権者という第三者が、その債権に利害を持っておる。勝手に消してしまえば、その者の権利まで奪うことになるのじゃ。
物権の混同との対応
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
物権にも混同ってあったよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法179条じゃ。 同じ発想が、物権と債権の両方に置かれておるのう。
どちらもただし書で第三者を守る——構えが揃っておる。
賃借権と所有権の混同
最高裁は、土地の所有権と賃借権が同一人に帰属した場合について次のように判断しました。
特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至つた場合であつても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備したのちに右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきであり、このことは、賃借権の対抗要件が建物保護に関する法律一条によるものであるときでも同様である。 (最判昭和46年10月14日・民集第25巻7号933頁)
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
混同しても賃借権が残る場合があるんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
要旨の条件を丁寧に読め。 二つそろってはじめて残るのじゃ。
| 条件 | 要旨の言葉 |
|---|---|
| ① | その賃借権が**対抗要件対抗要件当事者間で成立した権利関係を、第三者に対して『自分が権利者だ』と主張するために必要な要件(不動産における登記など)。用語ページを見る →を具備した**ものである |
| ② | その対抗要件を具備したのちにその土地に**抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →が設定されていた** |
抵当権者から見れば、賃借権付きの土地として担保を取ったわけじゃ。混同で賃借権が消えたら、担保の値打ちが勝手に上がったり下がったりする——そこを動かさぬという判断じゃな。
要旨は民法179条1項ただし書の準用と述べておる。 物権の混同の規定を借りてきておるのじゃ。そして建物保護に関する法律による対抗要件でも同じ、と付け加えておる。
資格別の演習
債権及び債務が同一人に帰属したときはその債権は消滅するが、その債権が第三者の権利の目的であるときはこの限りでない。
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解答:◯
正しい記述です。民法520条がそのとおり定めています。
特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至った場合であっても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備したのちにその土地に抵当権が設定されていたときは、民法179条1項ただし書の準用により賃借権は消滅しない。
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解答:◯
正しい記述です。最判昭和46年10月14日(民集第25巻7号933頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。
債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権が第三者の権利の目的である場合であっても、その債権は必ず消滅する。
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解答:×
誤りです。民法520条ただし書は、その債権が第三者の権利の目的であるときはこの限りでないと定めています。
一次情報を確認する
- e-Gov法令検索:民法第520条
- 最判昭和46年10月14日(民集 第25巻7号933頁)(昭和46(オ)582)