民法第389条・物権
民法第389条:抵当地の上の建物の競売
抵当権設定後に建った建物も土地とともに競売できます。ただし優先権は土地の代価にしか及びません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
更地に抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →を付けたあとで、そこに家が建っちゃったら? 土地だけ競売しても買い手がつかないよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい着眼じゃ。民法389条が建物も一緒に競売できると定めておる。ただし優先権は土地の代価だけ——ここが条文の要じゃぞ。
1項:土地とともに競売できる
抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造された |
| できること | 抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる |
| ただし書 | その優先権は、土地の代価についてのみ行使できる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
建物も売れるのに、建物の代金からは優先的にもらえないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこじゃ。建物には抵当権が及んでおらぬのじゃからのう。抵当権の設定後に建った建物は、民法370条の不可分性不可分性権利を分けて一部だけ行使したり消滅させたりできない性質のこと。地役権(民法282条)、留置権(民法296条)、先取特権(民法305条)に共通します。用語ページを見る →によっても従物従物物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物を附属させたときの、その附属させた物(民法87条1項)。主物の処分に従います(同条2項)。用語ページを見る →としても、当然に抵当権の目的にはならぬ。
それでも一括して競売する道を開いたのが389条じゃ。土地だけを買う者は少なかろうからのう。
2項:適用されない場合
前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する |
| 効果 | 1項の規定は適用しない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抵当権者に対抗できる権利があれば、一括競売されないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。たとえば抵当権の登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →より前に登記した地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →や賃借権があれば、その者は堂々と土地を使える立場じゃ。その者の建物まで巻き込むことはできぬ。
条文が「抵当権者に対抗することができる権利」と一般的に書いておる点に注意じゃな。権利の種類ではなく、対抗できるかどうかで線を引いておる。
民法388条との関係
| 民法388条(法定地上権法定地上権土地と建物が同一所有者に属する場合に抵当権が実行され所有者を異にするに至ったとき、建物のために設定されたものとみなされる地上権(民法388条)。当事者の合意なしに法律上生じます。用語ページを見る →) | 民法389条(一括競売) | |
|---|---|---|
| 建物ができた時期 | 抵当権設定時にすでにある | 抵当権設定後に築造 |
| 建物の運命 | 地上権が設定されたものとみなす | 土地とともに競売できる |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
建物がいつからそこにあったか——この一点が、388条と389条を分けておる。抵当権者が土地を担保に取ったとき、更地として評価したのか、建物付きとして評価したのか、ということじゃな。
資格別の演習
抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は土地とともにその建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法389条1項がそのとおり定めています。
民法389条により土地とともに建物を競売した抵当権者は、建物の代価についても優先権を行使することができる。
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解答:×
誤りです。民法389条1項ただし書は「その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる」としています。
建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、民法389条1項の規定は適用されない。
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解答:◯
正しい記述です。民法389条2項がそのとおり定めています。