民法第398条・物権
民法第398条:抵当権の目的である地上権等の放棄
地上権や永小作権に抵当権を設定した者は、その権利を放棄しても抵当権者に対抗できません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →にも抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →を付けられるんだったよね(民法369条2項)。じゃあ、地上権を放棄しちゃったら抵当権はどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこを塞いでおるのが民法398条じゃ。放棄しても抵当権者には対抗できぬ。第十章の本則を締めくくる一条じゃぞ。
条文の内容
地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人 |
| 何をした | その権利を放棄した |
| 効果 | これをもって抵当権者に対抗することができない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
放棄そのものは無効じゃないんだ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の言葉をよう見よ。「対抗することができない」じゃ。無効とは書かれておらぬ。
放棄は放棄として効力を持つが、抵当権者との関係では無かったものとして扱う——民法377条2項や民法260条2項と同じ型じゃな。行為は有効だが、特定の者には主張できぬ。
なぜ放棄を封じるのか
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法369条2項は「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる」と定めておる。抵当権者は、その地上権や永小作権の価値を担保として当てにしておるわけじゃ。
ところが権利者が一方的に放棄すれば、担保は一瞬で消える。それでは地上権を担保に取る者などおらぬ。398条は、その不安を条文で取り除いておるのじゃな。
民法369条2項から398条へ
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法369条2項 | 地上権・永小作権永小作権小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →も抵当権の目的とすることができる |
| 民法398条 | その権利を放棄しても抵当権者に対抗できない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
第十章の入口と出口が、つながってるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい見方じゃ。369条で開いた道を、398条が守っておる。
この398条までが第一節〜第三節、いわば普通抵当権の条文じゃ。次の民法398条の2からは第四節「根抵当」——担保する債権が定まらぬ抵当権の世界が始まるぞ。
資格別の演習
地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法398条がそのとおり定めています。
地上権を抵当権の目的とした地上権者がその地上権を放棄したときは、その放棄は無効となる。
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解答:×
誤りです。民法398条は放棄を無効とするのではなく、「これをもって抵当権者に対抗することができない」としています。
永小作権を抵当権の目的とした永小作人についても、民法398条の規律が及ぶ。
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解答:◯
正しい記述です。民法398条は「地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人」と定めています。