民法第986条・相続
民法第986条:遺贈の放棄
受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放棄をすることができます。放棄は遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生じます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
遺贈は、断ることができるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法986条じゃ。 「いつでも」——期間の定めがないところが特徴じゃ。
条文
1 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 受遺者受遺者遺贈を受ける者のこと。限定承認や財産分離の手続では、相続債権者に次ぐ地位に置かれます(民法931条)。用語ページを見る →は遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放棄遺贈の放棄受遺者が遺贈を受けない旨の意思表示をすること。遺言者の死亡後いつでもすることができ、その効力は遺言者の死亡の時にさかのぼります(民法986条)。用語ページを見る →をすることができる |
| 2項 | 放棄は遺言者の死亡の時にさかのぼって効力を生ずる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相続の放棄とは違うんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
並べてみよ。
| 比較 | 遺贈の放棄 | 相続の放棄 |
|---|---|---|
| 期間 | いつでも(民法986条1項) | **熟慮期間熟慮期間相続人が単純若しくは限定の承認又は放棄をすべき期間のこと。自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月です(民法915条1項本文)。用語ページを見る →**内(民法915条1項) |
| 方式 | 条文に定めなし | 家庭裁判所家庭裁判所家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →への申述(民法938条) |
| 遡及 | 死亡の時にさかのぼる(民法986条2項) | 初めから相続人とならなかったものとみなす(民法939条) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「いつでも」とはいえ、放置されては困る者がおる。 そこで民法987条が催告の道を置いておるぞ。
なお、986条1項は特定遺贈特定遺贈特定の財産を指定してする遺贈のこと。包括遺贈と対になる区別です(民法964条)。用語ページを見る →を念頭に置いた条文と読める。 包括遺贈包括遺贈財産の全部又は割合を示してする遺贈のこと。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有します(民法990条)。用語ページを見る →の受遺者は民法990条により相続人と同一の権利義務を有するからのう。
資格別の演習
受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放棄をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法986条1項がそのとおり定めています。
遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
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解答:◯
正しい記述です。民法986条2項がそのとおり定めています。
受遺者は、遺言者の死亡前であっても、遺贈の放棄をすることができる。
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解答:×
誤りです。民法986条1項は「遺言者の死亡後」と定めています。