民法第483条・債権
民法第483条:特定物の現状による引渡し
引渡しをすべき時の品質を定められないときに限り、弁済者はその時の現状で特定物を引き渡せば足ります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
中古品を売ったら、傷んでいてもそのまま渡せばいいって聞いたけど。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
その理解は、平成29年改正で通用しなくなったぞ。民法483条は厳しい条件つきになっておる。「定めることができないとき」——ここを飛ばすと大間違いじゃ。
条文
債権の目的が特定物の引渡しである場合において、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは、弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 債権の目的が**特定物特定物当事者がその物の個性に着目して指定した物のこと。中古の一軒家や絵画など、代わりのきかない物です。引渡しまで善良な管理者の注意をもって保存する義務が生じます(民法400条)。用語ページを見る →の引渡し**である |
| 条件 | 契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして、その引渡しをすべき時の品質を定めることができないとき |
| 効果 | 弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「品質を定めることができないとき」に限られるんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが改正の核心じゃ。
まず、契約や取引上の社会通念から品質が決まるかを考える。 決まるなら、その品質のものを引き渡さねばならぬ——現状でよいという話にはならぬ。
どうしても決まらないとき、はじめて「現状で」となる。原則と例外が、改正前とは逆転したと言ってよいのう。
「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
長い言い回しだけど、どこかで見たような……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭いのう。 平成29年改正で、民法のあちこちに置かれた表現じゃ。
契約の中身だけでなく、取引の常識も見る。 当事者が明示していなくとも、その取引ならこの程度の品質が当然だ、という判断がありうる——そう読める書きぶりじゃな。
だからこそ「定めることができないとき」は、そう簡単には来ぬのじゃ。
「引渡しをすべき時」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は二度「引渡しをすべき時」と書いておる。 品質を測る時点も、現状を見る時点も、そこじゃ。
契約の時ではない。 実際に引き渡した時でもない。 「引き渡すべきであった時」——その一点で判断するのじゃな。
資格別の演習
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、弁済をする者は常にその引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡せば足りる。
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解答:×
誤りです。民法483条は「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないとき」に限ってこの扱いを認めています。
特定物の引渡しについて、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは、弁済をする者はその引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法483条がそのとおり定めています。
民法483条にいう「現状」は、契約締結の時における物の状態を意味する。
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解答:×
誤りです。民法483条は「その引渡しをすべき時の現状」と定めています。