民法第426条・債権

民法第426条:詐害行為取消権の期間の制限

知った時から2年、行為の時から10年。どちらかを過ぎると訴えを提起できません。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

何年前の行為でも取り消せるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そうはいかぬ。民法426条じゃ。2年と10年——2つの期間で締め切られる。詐害行為取消権詐害行為取消権さがいこういとりけしけん債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを、債権者が裁判所に請求できる制度(民法424条1項)。用語ページを見る →の最後の条文じゃぞ。

条文の内容

詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から二年を経過したときは、提起することができない。行為の時から十年を経過したときも、同様とする。

# 期間 起算点
① 2年 債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時
② 10年 行為の時

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

主観の起算点と客観の起算点だ! 民法398条の9第5項でも見た型だね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう覚えておったのう。知った時から/行為の時から——民法がくり返し使う組み合わせじゃ。

民法724条の不法行為も同じ型じゃな。どちらか早いほうで締め切るという作りじゃ。

「債権者が知った時」の意味

最高裁は、改正前の民法426条にいう「取消の原因を覚知した時」について、次のように判断しました。

民法四二六条にいう取消の原因を覚知するとは、債務者が債権者を害することを知つて当該法律行為をした事実を取消権者において知ることを意味し、単に取消権者が詐害の客観的事実を知るだけでは足りず、債務者に詐害の意思のあることをも知ることを要する。 (最判昭和47年4月13日・集民第105号441頁)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

客観的な事実を知るだけじゃ足りないんだ。債務者の意思まで。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

要旨はそのとおり述べておる。債務者に詐害の意思のあることをも知ることを要する、と。

この判決は改正前の条文についてのものじゃが、現行426条は「債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時」と、まさにその趣旨を条文に書き込んでおる。判例の到達点が条文になった例じゃな。

「特定の具体的な詐害行為」

民法四二六条にいう「債権者カ取消ノ原因ヲ覚知シタル時」とは、債権者が特定の具体的な詐害行為の存在を知つた時を指すものと解すべきである。 (最判昭和46年9月3日・集民第103号481頁)

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

こちらはどの程度具体的に知る必要があるかを述べておる。「特定の具体的な詐害行為の存在を知つた時」——漠然と「何かやったらしい」では足りぬ、ということじゃな。

出訴期間

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文の言葉をよう見よ。「提起することができない」じゃ。時効によって消滅する、とは書かれておらぬ。

そして条文は「詐害行為取消請求に係る訴えは」で始まっておる。訴えを起こせる期間そのものを区切っておるという書きぶりじゃな。

平成29年改正前は10年ではなく20年じゃった。現行法の数字で覚えよ。

詐害行為取消権の全体像

目 条文 内容
第一目 民法424条〜424条の5 要件(原則・3つの特則・転得者転得者てんとくしゃ受益者に移転した財産をさらに取得した者のこと。一定の要件を満たす場合に限り詐害行為取消請求の相手方となります(民法424条の5)。用語ページを見る →)
第二目 民法424条の6〜424条の9 行使の方法(返還請求・被告・範囲・自己への支払)
第三目 民法425条〜425条の4 効果(判決の効力・受益者受益者じゅえきしゃ詐害行為によって利益を受けた者のこと(民法424条1項ただし書)。その行為の時に債権者を害することを知らなかったときは、取消請求を受けません。用語ページを見る →と転得者の救済)
第四目 民法426条 期間の制限

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

4つの目で、14か条もあるんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

改正前はわずか6か条じゃった。それが14か条に——平成29年改正でいちばん膨らんだ制度といってよかろう。

さて、次の民法427条からは**第三節「多数当事者の債権及び債務」**じゃ。債権者や債務者が複数いるとき、どうなるか——新しい景色が広がるぞ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年を経過したときは、提起することができない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法426条前段がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

詐害行為取消請求に係る訴えは、行為の時から10年を経過したときも提起することができない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法426条後段がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題判例(最判昭和47年4月13日)

詐害行為取消権の期間の起算点について、単に取消権者が詐害の客観的事実を知るだけでは足りず、債務者に詐害の意思のあることをも知ることを要する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。最判昭和47年4月13日(集民第105号441頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。現行の民法426条も同趣旨を条文化しています。

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