民法第375条・物権
民法第375条:抵当権の被担保債権の範囲
利息その他の定期金は「最後の2年分」に限られます。後順位抵当権者や他の債権者を守るための制限です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →って、利息も担保するよね? 何年ぶんでも?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが民法375条じゃ。最後の2年分のみ——きっぱりした制限じゃ。質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →(民法346条)には無かった縛りじゃぞ。
1項:利息その他の定期金は最後の2年分
抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
| 内容 | |
|---|---|
| 原則 | 満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使できる |
| ただし書 | それ以前の定期金も、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時から行使できる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして制限するの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
後順位の抵当権者や他の債権者を守るためと読める。
登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →には元本の額が記される。じゃが利息は年々積み上がる。10年放っておけば、登記から見えぬ額が膨れ上がる。後から抵当権を取る者は、残る担保価値を見誤ってしまう。
だから2年で切り、それ以上を主張したいなら特別の登記をせよ——公示を求めておるのじゃな。
2項:損害賠償も含めて2年分
前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 債務の不履行によって生じた損害の賠償 |
| 範囲 | その最後の2年分 |
| ただし書 | 利息その他の定期金と通算して2年分を超えることができない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「通算して2年分」! 利息で2年、損害賠償でさらに2年、とはいかないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう読んだのう。合わせて2年分が上限じゃ。ただし書がなければ4年分になってしまう。条文はそこまで塞いでおる。
質権との対比
| 質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →(民法346条) | 抵当権(民法375条) | |
|---|---|---|
| 利息 | 担保する(制限なし) | 最後の2年分のみ |
| 理由 | 占有を移すため後順位者が現れにくい | 占有を移さぬため後順位者が現れる |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
同じ物に何本も設定できるかどうか——それが制限の有無を分けておる、と読めような。
資格別の演習
抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法375条1項本文がそのとおり定めています。
最後の2年分より前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時から抵当権を行使することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法375条1項ただし書がそのとおり定めています。
抵当権者は、利息について最後の2年分、債務不履行による損害賠償について最後の2年分、合計4年分について抵当権を行使することができる。
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解答:×
誤りです。民法375条2項ただし書は「利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない」としています。