民法第270条・物権
民法第270条:永小作権の内容
小作料を払って他人の土地で耕作や牧畜をする物権です。地上権と並ぶ用益物権ですが、対価の支払が条文に組み込まれている点が違います。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「永小作権永小作権小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →」……名前からして昔の制度みたい。今も使われてるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
実際に設定される例は多くない。じゃが民法第五章に、今も条文として置かれておる。用益物権の一つの型として、地上権と読み比べる値打ちがあるぞ。
条文の内容
永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 永小作人 |
| 対価 | 小作料小作料永小作権に基づいて土地を耕作・牧畜するために支払う対価のこと。2年以上の滞納があると、土地の所有者は永小作権の消滅を請求できます(民法276条)。用語ページを見る →を支払って |
| どこで | 他人の土地において |
| 何を | 耕作又は牧畜をする |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →とそっくりの書き方だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
並べてみようかのう。
- 民法265条……他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利
- 民法270条……小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利
違いが2つ見えよう。目的(工作物・竹木の所有か、耕作・牧畜か)と、対価じゃ。
地上権との決定的な違い
| 地上権(民法265条) | 永小作権(民法270条) | |
|---|---|---|
| 目的 | 工作物又は竹木の所有 | 耕作又は牧畜 |
| 対価 | 条文に書かれていない(民法266条で条件つき) | 小作料を支払って——条文に組み込み |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
地上権は地代地代土地を使わせてもらう対価として支払う金銭のこと。地上権では必ずしも必要ではなく、支払う場合には民法274条から276条までの規定が準用されます(民法266条1項)。用語ページを見る →なしでも成立するけど、永小作権は小作料が要るんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の文言からは、そう読める。民法270条は「小作料を支払って」を権利の内容そのものに書き込んでおるからのう。条文の言葉がどこに置かれているかで、要素かどうかが決まる——法律の読み方の基本じゃ。
第五章「永小作権」の構成
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法270条 | 永小作権の内容 |
| 民法271条 | 土地の変更の制限 |
| 民法272条 | 譲渡又は土地の賃貸 |
| 民法273条 | 賃貸借に関する規定の準用 |
| 民法274条〜276条 | 小作料の減免・放棄・消滅請求 |
| 民法277条 | 慣習 |
| 民法278条 | 存続期間 |
| 民法279条 | 工作物等の収去等 |
資格別の演習
永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法270条がそのとおり定めています。
永小作権は、他人の土地において工作物を所有するためにも設定することができる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法270条は「耕作又は牧畜をする権利」としています。工作物又は竹木の所有を目的とするのは民法265条の地上権です。
民法270条は、小作料の支払を永小作権の内容として条文上明示している。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文は「小作料を支払って……する権利を有する」としており、対価の支払が権利の内容に組み込まれています。地上権について地代を要素としない民法265条との違いです。