民法第398条の22・物権

民法第398条の22:根抵当権の消滅請求

極度額相当額を払い渡すか供託すれば根抵当権は消滅します。物権編を締めくくる条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

借金が極度額極度額きょくどがく根抵当権が担保する限度額のこと。根抵当権者は、確定した元本・利息・損害賠償の全部について、この額を限度に権利を行使できます(民法398条の3第1項)。用語ページを見る →を超えちゃったら、物上保証人物上保証人ぶつじょうほしょうにん他人の債務を担保するため自分の財産に担保権を設定した者のこと。債務を弁済し又は質物の所有権を失ったときは、債務者に求償権を有します(民法351条)。用語ページを見る →や買った人はどうすればいいの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法398条の22じゃ。極度額に相当する金額を払えば消える。これが第二編「物権」の最後の条文でもあるぞ。

1項:消滅請求

元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。

要素 条文の言葉
前提 元本の確定後において、現に存する債務の額が極度額を超えるとき
誰が ① 他人の債務を担保するため根抵当権を設定した者
② 抵当不動産について所有権・地上権地上権ちじょうけん他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →・永小作権永小作権えいこさくけん小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →・第三者に対抗できる賃借権を取得した第三者
何を その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託
効果 根抵当権の消滅請求をすることができる/その払渡し又は供託は弁済の効力を有する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

請求できる人の範囲が広い! 賃借権を取った人まで。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう見たのう。民法379条の抵当権消滅請求抵当権消滅請求ていとうけんしょうめつせいきゅう抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →は**第三取得者第三取得者だいさんしゅとくしゃ担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る →だけじゃった。398条の22は物上保証人**も、用益権を取得した者も含んでおる。

そして「その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する」——払った金が空に消えるのではない。債務の弁済として扱われるのじゃ。

379条以下の消滅請求と比べる

抵当権消滅請求(379条以下) 根抵当権の消滅請求(398条の22)
請求できる者 抵当不動産の第三取得者 物上保証人・所有権/地上権/永小作権/対抗できる賃借権を取得した第三者
払う額 代価又は特に指定した金額 極度額に相当する金額
債権者の承諾 必要(民法386条、みなし承諾を含む) 条文に定めなし
手続 書面の送付・2か月の期間など8か条 払渡し又は供託+請求

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

こっちのほうがずっと簡単だ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

極度額という決まった額があるからじゃな。いくら払えばよいかが登記から分かる。だから承諾を集める必要も、額を提示して待つ必要もない。

極度額という制度が、手続まで簡単にしておる——根抵当権の設計の妙じゃ。

2項:共同根抵当なら1個で消える

第三百九十八条の十六の登記がされている根抵当権は、一個の不動産について前項の消滅請求があったときは、消滅する。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

共同根抵当共同根抵当きょうどうねていとう数個の不動産について、設定と同時に同一債権の担保である旨の登記をした根抵当権(民法398条の16)。この登記がある場合に限り、共同抵当の規定が適用されます。用語ページを見る →では、1個の不動産についての請求で全部が消える。民法398条の21第2項の減額請求と同じ考え方じゃな。

一体として動く——民法398条の17第2項が元本の確定について定めたのと、同じ筋じゃ。

3項:380条・381条の準用

第三百八十条及び第三百八十一条の規定は、第一項の消滅請求について準用する。

準用される規定 内容
民法380条 主たる債務者・保証人・これらの者の承継人は請求できない
民法381条 停止条件停止条件ていしじょうけん成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →付第三取得者は、成否が未定である間は請求できない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

除かれる人は、普通の抵当権と同じなんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

制度が変わっても、除外の理屈は変わらぬ。全額を払う義務を負う者に、極度額だけ払って消させるわけにはいかぬからのう。

——さて、これで民法第二編「物権」は終わりじゃ。民法175条の物権法定主義物権法定主義ぶっけんほうていしゅぎ物権は法律に定めるもののほか創設することができない、という原則(民法175条)。当事者が合意しても、新しい種類の物権を勝手に作ることはできません。用語ページを見る →から始まり、398条の22で幕を閉じる。次の民法399条からは、**第三編「債権」**が始まるぞ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者は、極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法398条の22第1項がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法398条の22第1項による払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法398条の22第1項後段がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

根抵当権の債務者の保証人も、極度額に相当する金額を払い渡して根抵当権の消滅請求をすることができる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法398条の22第3項は民法380条を準用しており、主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は消滅請求をすることができません。

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