刑法第258条・毀棄及び隠匿の罪

刑法第258条:公用文書等毀棄

公務所の用に供する文書・電磁的記録を毀棄する罪です。3月以上7年以下の拘禁刑という、第四十章で最も重い法定刑が定められています。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

下限が3月……この章でいちばん重いんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

公務所が使う文書じゃからのう。第十七章で公文書偽造が私文書偽造より重かったのと、同じ考え方じゃ。

条文の内容

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。

要件を分解する

要件 条文の言葉
客体 公務所の用に供する文書又は電磁的記録
行為 毀棄した
刑 3月以上7年以下の拘禁刑

259条との対比

条文 客体 刑 親告罪
258条 公務所の用に供する文書・電磁的記録 3月以上7年以下の拘禁刑 —
259条 権利義務に関する他人の文書・電磁的記録 5年以下の拘禁刑 ◯(264条)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

258条は親告罪じゃないんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

264条が挙げるのは259条・261条・263条じゃからのう。公務所にかかわる258条と、建造物を守る260条は外れておる。列挙は必ず確かめよ。

第十七章との対比

場面 公 私
偽造 155条(1年以上10年以下) 159条(3月以上5年以下)
毀棄 258条(3月以上7年以下) 259条(5年以下)

いずれも公にかかわるほうが重く定められています。

「公務所の用に供する」

自分が作成した文書であっても、公務所に提出されてその用に供されているものであれば、258条の客体になりうる書き方です。所有者が誰かではなく、どのように使われているかを条文は問題にしています。

第四十章の構成

条文 内容
258条 公用文書等毀棄公用文書等毀棄こうようぶんしょとうきき公務所の用に供する文書または電磁的記録を毀棄すること(刑法258条)。3月以上7年以下の拘禁刑で、第四十章のなかで最も重い法定刑です。用語ページを見る →
259条 私用文書等毀棄私用文書等毀棄しようぶんしょとうきき権利または義務に関する他人の文書または電磁的記録を毀棄すること(刑法259条)。5年以下の拘禁刑で、264条により親告罪です。用語ページを見る →
260条 建造物等損壊建造物等損壊けんぞうぶつとうそんかい他人の建造物または艦船を損壊すること(刑法260条前段)。最高裁は、公衆便所の外壁にラッカースプレーで大書し外観・美観を著しく汚損した行為が同条前段の「損壊」に当たるとしました。用語ページを見る →及び同致死傷
261条 器物損壊等器物損壊等きぶつそんかいとう258条から260条までに規定するもののほか、他人の物を損壊し、または傷害すること(刑法261条)。動物を対象とする場合を捉える「傷害」の語が置かれています。264条により親告罪です。用語ページを見る →
262条 自己の物の損壊等
262条の2 境界損壊境界損壊きょうかいそんかい境界標を損壊し、移動し、もしくは除去し、またはその他の方法により土地の境界を認識することができないようにすること(刑法262条の2)。5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。用語ページを見る →
263条 信書隠匿信書隠匿しんしょいんとく他人の信書を隠匿すること(刑法263条)。6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料で、264条により親告罪です。刑法133条の信書開封罪とは章も客体の扱いも異なります。用語ページを見る →
264条 親告罪

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

公務所の用に供する電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処せられる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法258条は文書と電磁的記録の双方を客体としています。

司法試験正誤問題AI生成類題

公用文書等毀棄罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。刑法264条が挙げるのは259条・261条・263条であり、258条は含まれていません。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の259条は、私の文書を守る条文じゃ。

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