刑法第236条・窃盗及び強盗の罪
刑法第236条:強盗
暴行・脅迫を用いて財物を強取する罪です。2項が財産上不法の利益を対象とし、いわゆる二項犯罪の基本形を示します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
5年以上の有期拘禁刑! 窃盗の10年以下とは、けたが違う。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
人に暴行・脅迫を加えて奪う——財産だけでなく、身体の安全までもが害されるからのう。だから下限が5年なのじゃ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期拘禁刑に処する |
| 2項 | 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする |
1項と2項
| 項 | 客体 | 呼び名 |
|---|---|---|
| 1項 | 財物 | 一項強盗 |
| 2項 | 財産上不法の利益財産上不法の利益財物以外の財産的な利益。刑法236条2項・246条2項・249条2項が「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を、それぞれ1項と同じ刑で処罰します。いわゆる二項犯罪です。用語ページを見る → | 二項強盗 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
物じゃない利益も対象なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。同じ二段構えは、詐欺(246条)と恐喝(249条)にもある。財産犯を読むときの基本の型じゃ。
二項犯罪の3か条
| 条文 | 1項(財物) | 2項(財産上不法の利益) |
|---|---|---|
| 236条(強盗強盗暴行または脅迫を用いて他人の財物を強取すること(刑法236条1項)。5年以上の有期拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。用語ページを見る →) | 暴行・脅迫を用いて強取 | 同じ方法で利益を得る |
| 246条(詐欺罪詐欺罪人を欺いて財物を交付させること(刑法246条1項)。10年以下の拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。民法96条の詐欺による意思表示の取消しとは、場面が異なります。用語ページを見る →) | 人を欺いて交付させる | 同じ方法で利益を得る |
| 249条(恐喝恐喝人を恐喝して財物を交付させること(刑法249条1項)。10年以下の拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。用語ページを見る →) | 人を恐喝して交付させる | 同じ方法で利益を得る |
いずれも2項は「前項の方法により」と書かれ、1項と同じ刑です。
235条との比較
| 条文 | 手段 | 刑 |
|---|---|---|
| 235条(窃盗窃盗他人の財物を窃取すること(刑法235条)。10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、243条により未遂も罰せられます。用語ページを見る →) | 窃取(暴行・脅迫なし) | 10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 236条 | 暴行または脅迫 | 5年以上の有期拘禁刑 |
強盗として論じられる類型
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 238条(事後強盗事後強盗窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、または罪跡を隠滅するために暴行・脅迫をすること(刑法238条)。強盗として論じられます。用語ページを見る →) | 窃盗が、取り返しを防ぐなどのために暴行・脅迫 |
| 239条(昏酔強盗昏酔強盗人を昏酔させてその財物を盗取すること(刑法239条)。暴行・脅迫によらない点で236条と異なりますが、強盗として論じられます。用語ページを見る →) | 人を昏酔させて財物を盗取 |
いずれも「強盗として論ずる」と定められ、236条と同じ扱いを受けます。
予備・未遂
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 237条 | 強盗予備強盗予備強盗の罪を犯す目的で予備をすること(刑法237条)。2年以下の拘禁刑で、放火の予備(113条)や殺人の予備(201条)と違い、刑を免除できるただし書はありません。用語ページを見る →(2年以下の拘禁刑) |
| 243条 | 236条の罪の未遂を罰する |
資格別の演習
暴行または脅迫を用いて財産上不法の利益を得た者は、財物を強取した者と同じ刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法236条2項が「同項と同様とする」と定めています。
強盗罪の法定刑の下限は、5年以上の有期拘禁刑である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。窃盗罪(10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)とは枠がまったく異なります。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の237条は、強盗の準備段階じゃ。ただし書がないのが目印じゃぞ。