刑法第246条・詐欺及び恐喝の罪
刑法第246条:詐欺
人を欺いて財物を交付させる罪です。236条・249条と同じ二段構えで、2項が財産上不法の利益を対象とします。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
民法にも詐欺があったよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法96条じゃな。あちらは意思表示を取り消せるという民事の効果、こちらは処罰じゃ。同じ言葉でも、法律が違えば働きが違う——重婚(民法732条と刑法184条)でも見た関係じゃな。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の拘禁刑に処する |
| 2項 | 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする |
要件を分解する(1項)
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 行為 | 人を欺いて |
| 結果 | 財物を交付させた |
| 刑 | 10年以下の拘禁刑 |
「交付させた」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
235条の「窃取」とは違うんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが決定的な違いじゃ。窃盗窃盗他人の財物を窃取すること(刑法235条)。10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、243条により未遂も罰せられます。用語ページを見る →は相手の意思によらずに取る、詐欺罪詐欺罪人を欺いて財物を交付させること(刑法246条1項)。10年以下の拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。民法96条の詐欺による意思表示の取消しとは、場面が異なります。用語ページを見る →は相手に渡させる。被害者の行為が間に入るかどうかが、条文を分けておるのじゃ。
| 条文 | 財産の移り方 |
|---|---|
| 235条(窃盗) | 相手の意思によらず窃取 |
| 236条(強盗強盗暴行または脅迫を用いて他人の財物を強取すること(刑法236条1項)。5年以上の有期拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。用語ページを見る →) | 暴行・脅迫により強取 |
| 246条(詐欺) | 欺いて交付させる |
| 249条(恐喝恐喝人を恐喝して財物を交付させること(刑法249条1項)。10年以下の拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。用語ページを見る →) | 恐喝して交付させる |
二項犯罪
| 条文 | 1項 | 2項 |
|---|---|---|
| 236条 | 財物を強取 | 財産上不法の利益財産上不法の利益財物以外の財産的な利益。刑法236条2項・246条2項・249条2項が「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を、それぞれ1項と同じ刑で処罰します。いわゆる二項犯罪です。用語ページを見る → |
| 246条 | 財物を交付させる | 財産上不法の利益 |
| 249条 | 財物を交付させる | 財産上不法の利益 |
未遂・準用
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 250条 | この章の罪の未遂を罰する |
| 251条 | 242条・244条・245条を準用 |
第三十七章は「この章の罪の未遂は、罰する」という包括的な書き方です。
246条の2との関係
第246条の2は「前条に規定するもののほか」で始まります。人を欺く相手がいない、コンピュータを介した場面を受け止める条文です。
資格別の演習
人を欺いて財産上不法の利益を得た者は、財物を交付させた者と同じ刑に処せられる。
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解答:◯
正しい記述です。刑法246条2項が「同項と同様とする」と定めています。
詐欺罪については、刑法251条により親族間の犯罪に関する特例(刑法244条)が準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。251条は242条・244条・245条を準用の対象としています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の246条の2は、欺かれる人がいない場面を捉える条文じゃ。