刑法第221条・逮捕及び監禁の罪
刑法第221条:逮捕等致死傷
逮捕・監禁罪により人を死傷させた場合の規定です。「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」の7例目にして最後です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
7つめ! これで全部かな。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第2編の第1章から第31章までで見れば、これが最後じゃな。7つ並べて眺めると、刑法がどんな場面でこの型を使うかが見えてくるぞ。
条文の内容
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
「前条の罪」
逮捕及び監禁逮捕及び監禁不法に人を逮捕し、または監禁すること(刑法220条)。3月以上7年以下の拘禁刑で、221条は死傷の結果が生じた場合を定めます。用語ページを見る →(刑法220条)が対象です。
| 条文 | 刑 |
|---|---|
| 刑法220条 | 3月以上7年以下の拘禁刑 |
| 刑法204条(傷害傷害人の身体を傷害すること(刑法204条)。15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、拘禁刑と罰金の幅がきわめて広い条文です。用語ページを見る →) | 15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 刑法205条(傷害致死傷害致死身体を傷害し、よって人を死亡させること(刑法205条)。3年以上の有期拘禁刑です。用語ページを見る →) | 3年以上の有期拘禁刑 |
「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」7か条
| 条文 | 前提となる罪 | もとの罪の刑 |
|---|---|---|
| 刑法118条2項 | ガス漏出等 | 3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
| 刑法124条2項 | 往来妨害 | 2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金 |
| 刑法145条 | 浄水汚染等 | 6月以下〜3年以下の拘禁刑等 |
| 刑法196条 | 特別公務員職権濫用等 | 6月以上10年以下/7年以下の拘禁刑 |
| 刑法216条 | 不同意堕胎不同意堕胎女子の嘱託を受けないで、またはその承諾を得ないで堕胎させること(刑法215条1項)。6月以上7年以下の拘禁刑で、同条2項により未遂も罰せられます。用語ページを見る → | 6月以上7年以下の拘禁刑 |
| 刑法219条 | 遺棄等 | 1年以下/3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 刑法221条 | 逮捕及び監禁 | 3月以上7年以下の拘禁刑 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
もとの罪が全部、傷害罪より軽いんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく気づいたのう。だからこそ比較する意味があるのじゃ。もとの罪のほうが重ければ、わざわざ比較を命じる必要はないからな。
181条との対比
同じ死傷の結果でも、刑の定め方が違う条文があります。
| 条文 | 定め方 |
|---|---|
| 刑法181条(不同意わいせつ等致死傷) | 自前の法定刑(無期または3年以上/6年以上の拘禁刑) |
| 刑法221条 | 傷害の罪と比較して重い刑 |
| 刑法205条(傷害致死) | 自前の法定刑(3年以上の有期拘禁刑) |
第三十一章を読み終えて
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 220条 | 逮捕及び監禁 |
| 221条 | 逮捕等致死傷 |
わずか2か条ですが、身体の自由を正面から守る章です。未遂処罰の規定はありません。
資格別の演習
監禁罪を犯し、よって人を傷害した者は、傷害の罪と比較して重い刑により処断される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法221条の定めです。
刑法221条は、逮捕等致死傷の刑を具体的な年数で定めている。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。同条は「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と定めるにとどまります。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の第三十二章は、言葉で人を縛る罪じゃ。脅迫と強要——2か条だけの短い章じゃな。