刑法第222条・脅迫の罪
刑法第222条:脅迫
生命・身体・自由・名誉・財産に対する加害を告知して人を脅迫する罪です。脅迫罪の成立を認めた古典的な最高裁判例があります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
条文が守るものを5つ並べてるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
生命、身体、自由、名誉又は財産——この5つじゃ。223条の強要強要脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害すること(刑法223条1項)。同条3項により未遂も罰せられます。用語ページを見る →罪でも同じ5つが並ぶ。セットで覚えるべき列挙じゃな。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処する |
| 2項 | 親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする |
5つの保護対象
| 対象 |
|---|
| 生命 |
| 身体 |
| 自由 |
| 名誉 |
| 財産 |
1項と2項
| 項 | 誰への加害を告知するか |
|---|---|
| 1項 | 本人 |
| 2項 | 親族 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
家族を害すると言われても、脅されるのは本人だもんね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。告知の対象は親族、脅されるのは本人——2項はその構図を条文で受け止めておる。105条の2(証人等威迫証人等威迫刑事事件の捜査・審判に必要な知識を有すると認められる者やその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、または強談威迫の行為をすること(刑法105条の2)。用語ページを見る →)でも、相手方に親族が含まれておったな。
判例——脅迫罪が成立するとされた事例
最判昭和35年3月18日は、2つの派の抗争が熾烈になっている時期に、一方の派の中心人物宅に、現実に出火もないのに、「出火御見舞申上げます、火の元に御用心」「出火御見舞申上げます、火の用心に御注意」という趣旨の文面の葉書を発送しこれを配達させたときは、脅迫罪脅迫罪生命・身体・自由・名誉または財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫すること(刑法222条1項)。同条2項は、親族に対する加害の告知も同じ刑としています。用語ページを見る →が成立するものと認めるを相当するとしました。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
文面だけ見たら、お見舞いの葉書なのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこじゃ。言葉そのものではなく、置かれた状況の中で何を意味するか——最高裁は「抗争が熾烈になっている時期」という背景を挙げておる。告知は文面だけで決まるものではない、ということじゃな。
223条との関係
| 条文 | 行為 | 結果 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 222条 | 害を加える旨を告知して脅迫 | 要求されていない | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 223条1項 | 脅迫または暴行 | 義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害 | 3年以下の拘禁刑 |
資格別の演習
親族の財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、刑法222条により処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。同条2項が「前項と同様とする」と定めています。
現実に出火もないのに「出火御見舞申上げます、火の元に御用心」という趣旨の葉書を発送・配達させた行為につき、脅迫罪の成立が認められた事例がある。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。最判昭和35年3月18日の事案です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の223条は、脅迫のその先——現に人を動かした場合じゃ。