刑法第215条・堕胎の罪
刑法第215条:不同意堕胎
女子の嘱託も承諾もないまま堕胎させる罪です。第二十九章で唯一、未遂を罰する規定が置かれています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
213条は2年以下だったのに、こっちは6月以上7年以下!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
本人の意思がない——その一点で、これだけ変わる。しかもこの章で未遂を罰するのは215条だけじゃ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、6月以上7年以下の拘禁刑に処する |
| 2項 | 前項の罪の未遂は、罰する |
213条との比較
| 条文 | 同意 | 刑 | 未遂 |
|---|---|---|---|
| 213条前段 | あり | 2年以下の拘禁刑 | — |
| 215条1項 | なし | 6月以上7年以下の拘禁刑 | ◯(2項) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
上限で3倍以上、しかも下限までついてる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
下限が現れるのが加重の印——98条の加重逃走、191条の墳墓発掘死体損壊等でも見たとおりじゃな。
第二十九章で唯一の未遂処罰
| 条文 | 罪 | 未遂処罰 |
|---|---|---|
| 212条 | 堕胎堕胎刑法第2編第29章が定める罪の対象となる行為。212条は妊娠中の女子自身の堕胎を、213条以下は他人が堕胎させる場合を、同意の有無や身分によって段階的に定めます。用語ページを見る → | — |
| 213条 | 同意堕胎同意堕胎女子の嘱託を受け、またはその承諾を得て堕胎させること(刑法213条前段)。よって女子を死傷させたときは、同条後段により重く処断されます。用語ページを見る →及び同致死傷 | — |
| 214条 | 業務上堕胎業務上堕胎医師、助産師、薬剤師または医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、またはその承諾を得て堕胎させること(刑法214条)。同意堕胎罪より重い3月以上5年以下の拘禁刑です。用語ページを見る →及び同致死傷 | — |
| 215条 | 不同意堕胎不同意堕胎女子の嘱託を受けないで、またはその承諾を得ないで堕胎させること(刑法215条1項)。6月以上7年以下の拘禁刑で、同条2項により未遂も罰せられます。用語ページを見る → | ◯(2項) |
| 216条 | 不同意堕胎致死傷 | — |
致死傷の場合
第216条は「前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と定めます。213条・214条が条文の中で致死傷を定めていたのに対し、215条は別条に切り出されています。
| 条文 | 致死傷の定め方 |
|---|---|
| 213条 | 同じ項の後段(3月以上5年以下の拘禁刑) |
| 214条 | 同じ項の後段(6月以上7年以下の拘禁刑) |
| 215条 | 216条に切り出し(傷害の罪と比較して重い刑) |
資格別の演習
不同意堕胎罪の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法215条2項が明文で定めています。
刑法215条1項の法定刑は、同意堕胎罪(刑法213条前段)より重い。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。213条前段が2年以下、215条1項が6月以上7年以下の拘禁刑です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
章の締めくくりは216条。もう見慣れた言い回しが、また現れるぞ。