刑法第214条・堕胎の罪
刑法第214条:業務上堕胎及び同致死傷
医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者による同意堕胎の加重類型です。134条1項の秘密漏示罪と重なる顔ぶれが列挙されています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
医師、助産師、薬剤師、医薬品販売業者——134条でも見た並びだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく覚えておったのう。専門的な知識と立場を持つ者が、条文で名指しされておる。その立場ゆえに重くなるのじゃ。
条文の内容
医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
前段と後段
| 部分 | 内容 | 刑 |
|---|---|---|
| 前段 | 医師等が嘱託・承諾を得て堕胎させた | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 後段 | よって女子を死傷させた | 6月以上7年以下の拘禁刑 |
主体の4つ
| 主体 |
|---|
| 医師 |
| 助産師 |
| 薬剤師 |
| 医薬品販売業者 |
業務上堕胎業務上堕胎医師、助産師、薬剤師または医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、またはその承諾を得て堕胎させること(刑法214条)。同意堕胎罪より重い3月以上5年以下の拘禁刑です。用語ページを見る →は、この立場にある者だけが犯せる身分犯身分犯犯人の一定の身分が、犯罪の成立や刑の軽重にかかわる犯罪のこと。刑法65条1項は身分のない者も共犯となるとし、2項は身分により刑に軽重があるときは身分のない者に通常の刑を科すとしています。用語ページを見る →です。
134条1項との比較
| 条文 | 列挙される職 |
|---|---|
| 刑法134条1項 | 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人 |
| 刑法214条 | 医師、助産師、薬剤師、医薬品販売業者 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
214条には弁護士や公証人が入ってないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当然じゃな。堕胎に関わりうる職業だけが挙げられておる。条文の列挙は、その条文が捉える場面に合わせて選ばれておるのじゃ。
213条との比較
| 条文 | 主体 | 前段の刑 | 後段(致死傷)の刑 |
|---|---|---|---|
| 213条 | 制限なし | 2年以下の拘禁刑 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 214条 | 医師等 | 3月以上5年以下の拘禁刑 | 6月以上7年以下の拘禁刑 |
214条前段の刑が、213条後段(致死傷)の刑と同じである点が目を引きます。
資格別の演習
助産師が女子の嘱託を受けて堕胎させたときは、3月以上5年以下の拘禁刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法214条前段の定めです。
刑法214条の主体には、医師のほか助産師・薬剤師・医薬品販売業者が含まれる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文が4つを列挙しています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の215条は、本人の意思がない場合じゃ。刑が一段と重くなるぞ。