刑法第206条・傷害の罪

刑法第206条:現場助勢

傷害・傷害致死の現場で勢いを助ける罪です。条文が「自ら人を傷害しなくても」と明記している点に、この条文の存在意義があります。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「自ら人を傷害しなくても」——条文がわざわざ書いてる。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが現場助勢現場助勢げんばじょせい傷害・傷害致死の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けること(刑法206条)。条文は「自ら人を傷害しなくても」と明記しています。用語ページを見る →罪の顔じゃ。手を出していない者を処罰するのじゃから、条文の側で断っておく必要があったのじゃな。

条文の内容

前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

要件を分解する

要件 条文の言葉
場面 前二条の犯罪(204条・205条)が行われるに当たり
場所 現場において
行為 勢いを助けた
確認 自ら人を傷害しなくても
刑 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料

従犯従犯じゅうはん正犯を幇助した者のこと(刑法62条1項)。刑法63条により、その刑は正犯の刑を減軽したものになります。用語ページを見る →との違い

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

勢いを助けるって、幇助と同じじゃないの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よい問いじゃ。幇助(刑法62条)なら、正犯の刑を減軽した刑(刑法63条)になる。じゃが206条は独自の法定刑を持っておる。条文が別に用意されている以上、まずはその条文で処理する——それが読み方じゃ。

規定 刑
刑法62条・63条(幇助犯) 正犯の刑を減軽
刑法206条(現場助勢) 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料

106条3号との比較

同じ「勢いを助ける」という語は、騒乱罪にも現れます。

条文 条文の言葉 刑
刑法106条2号 他人を指揮し、または他人に率先して勢いを助けた者 6月以上7年以下の拘禁刑
刑法206条 現場において勢いを助けた者 1年以下の拘禁刑等

106条2号は「率先して」を要求しますが、206条にはその限定がありません。

「前二条の犯罪が行われるに当たり」

204条(傷害傷害しょうがい人の身体を傷害すること(刑法204条)。15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、拘禁刑と罰金の幅がきわめて広い条文です。用語ページを見る →)・205条(傷害致死傷害致死しょうがいちし身体を傷害し、よって人を死亡させること(刑法205条)。3年以上の有期拘禁刑です。用語ページを見る →)が対象です。208条(暴行暴行ぼうこう刑法208条は、暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときを処罰します。傷害の結果が生じれば204条の傷害罪になります。用語ページを見る →)は含まれません。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

傷害の現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても処罰される。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法206条が明文で定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

暴行罪(刑法208条)が行われる現場において勢いを助けた者も、刑法206条により処罰される。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。同条がいう「前二条」は204条・205条であり、208条は含まれません。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の207条は、刑法各論でも屈指の難所じゃ。共犯でない者を共犯として扱うという、異例の規定じゃからのう。

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