刑法第205条・傷害の罪
刑法第205条:傷害致死
身体を傷害し、よって人を死亡させる罪です。3年以上の有期拘禁刑で、殺人罪との違いは「殺す意思があったか」に尽きます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
人が亡くなっているのに、殺人罪じゃないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
分かれ目は**故意故意罪を犯す意思のこと。刑法38条1項は、罪を犯す意思がない行為は罰しないと定め、処罰されるのは故意のある行為が原則であるとしています。用語ページを見る →**じゃ。殺す意思があれば199条、傷害の意思にとどまれば205条。同じ結果でも、内心が条文を分ける——刑法の基本じゃな。
条文の内容
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 行為 | 身体を傷害し |
| 結果 | よって人を死亡させた |
| 刑 | 3年以上の有期拘禁刑 |
199条との比較
| 条文 | 罪 | 内心 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 刑法199条 | 殺人殺人人を殺すこと(刑法199条)。死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑で、未遂(203条)・予備(201条)も処罰されます。用語ページを見る → | 殺意あり | 死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑 |
| 刑法205条 | 傷害致死傷害致死身体を傷害し、よって人を死亡させること(刑法205条)。3年以上の有期拘禁刑です。用語ページを見る → | 傷害の故意にとどまる | 3年以上の有期拘禁刑 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
205条には死刑も無期もないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが大きな違いじゃ。上限は有期拘禁刑の20年(刑法12条1項)まで。死という結果は同じでも、条文が用意する枠はまるで違う。
「よって」という語
刑法で「よって」が現れたら、その後ろが結果的加重の結果です。これまで見てきた条文でも同じ形が繰り返されてきました。
| 条文 | 「よって」の後ろ |
|---|---|
| 刑法110条1項 | 公共の危険を生じさせた |
| 刑法111条 | 108条・109条1項の物に延焼させた |
| 刑法142条 | 使用することができないようにした |
| 刑法181条 | 人を死傷させた |
| 刑法197条の3第1項 | 不正な行為をし、または相当の行為をしなかった |
| 刑法205条 | 人を死亡させた |
未遂はない
第二十七章には未遂処罰の規定がありません。205条は結果として死亡が生じてはじめて成立する条文であり、未遂を考える余地がありません。
資格別の演習
傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期拘禁刑である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。死刑や無期拘禁刑は含まれていません。
第二十七章「傷害の罪」には、未遂を罰する規定が置かれている。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。同章には未遂処罰の規定がありません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の206条は、自分では手を出していない者を捉える、めずらしい条文じゃ。