刑法第151条・通貨偽造の罪
刑法第151条:未遂罪(通貨偽造の罪)
通貨偽造の罪のうち、未遂が処罰される範囲を「前三条」で示します。152条・153条が対象から外れている理由まで確かめます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「前三条」——今度は数え方が変わった!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
未遂処罰の指し方は、これで5通り目じゃな。章ごと、条文名指し、項まで限定、そして前三条。ここでも書かれた範囲がそのまま処罰の範囲になる。
条文の内容
前三条の罪の未遂は、罰する。
「前三条」の範囲
| 条文 | 罪 | 未遂処罰 |
|---|---|---|
| 148条 | 通貨偽造・行使等 | ◯ |
| 149条 | 外国通貨偽造・行使等 | ◯ |
| 150条 | 偽造通貨等収得偽造通貨等収得行使の目的で、偽造または変造の貨幣・紙幣・銀行券を収得すること(刑法150条)。3年以下の拘禁刑です。用語ページを見る → | ◯ |
| 152条 | 収得後知情行使等収得後知情行使等貨幣等を収得した後にそれが偽造・変造のものであることを知って行使し、または行使の目的で人に交付すること(刑法152条)。刑は額面価格の3倍以下の罰金または科料で、2000円以下にはできません。用語ページを見る → | — |
| 153条 | 通貨偽造等準備通貨偽造等準備貨幣・紙幣・銀行券の偽造または変造の用に供する目的で、器械または原料を準備すること(刑法153条)。用語ページを見る → | — |
151条は章の中ほどに置かれているため、「前三条」は148条から150条までを指します。152条・153条は151条より後ろにあるので、そもそも対象になりません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
条文の置き場所そのものが、範囲を決めてるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。「前三条」という書き方は、自分がどこに立っているかを前提にしておる。未遂規定を章の末尾ではなく途中に置いたのは、この3つだけを対象にするためじゃな。
153条が外れる意味
153条は、偽造の用に供する目的で器械・原料を準備する罪です。すでに予備予備犯罪の実行のための準備行為。刑法78条(内乱予備)や88条(外患予備)のように、条文が定める場合にだけ処罰されます。用語ページを見る →の段階を捉える条文なので、そのさらに手前の未遂を考える必要がありません。
資格別の演習
偽造通貨等収得罪(刑法150条)の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法151条の「前三条」には148条から150条までが含まれます。
通貨偽造等準備罪(刑法153条)の未遂も、刑法151条により処罰される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。151条がいう「前三条」は148条・149条・150条であり、151条より後ろにある153条は含まれません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の152条は、刑法のなかでも珍しい額面価格に連動する罰金が現れる条文じゃ。