刑法第152条・通貨偽造の罪
刑法第152条:収得後知情行使等
通貨を受け取った後に偽造と気づいて行使する罪です。額面価格の3倍以下の罰金という、刑法でここだけの刑の定め方をしています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「額面価格の三倍以下の罰金」! こんな決め方、見たことない。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
刑法でこの書き方をするのは、この152条だけじゃ。いくらのにせ札を使ったかで、罰金の上限が動く。しかも下限まで書いてある。
条文の内容
貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 前提 | 貨幣・紙幣・銀行券を収得した後に |
| 認識 | それが偽造又は変造のものであることを知って |
| 行為 | これを行使し、または行使の目的で人に交付した |
| 刑 | 額面価格の3倍以下の罰金または科料(ただし2000円以下にはできない) |
150条との違い
| 条文 | 偽造と知った時期 | 刑 |
|---|---|---|
| 150条 | 収得の時点で知っていた | 3年以下の拘禁刑 |
| 152条 | 収得した後に知った | 額面価格の3倍以下の罰金または科料 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
知らずにつかまされた人は、まず被害者だもんね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。それでも気づいた後に人へ回せば罪になる。ただし刑は大きく軽くしてある——条文はそういう手当てをしておるのじゃな。
ただし書の意味
「2000円以下にすることはできない」——罰金の下限を定めるただし書です。額面が小さくても、罰金が極端に少額になることを防いでいます。
| 額面 | 3倍 | 実際の上限 |
|---|---|---|
| 1000円 | 3000円 | 3000円(下限2000円) |
| 500円 | 1500円 | 2000円を下回れないため、下限が働く |
科料科料刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →も選択刑として挙げられていますが、同じくただし書の制約を受けます。
資格別の演習
通貨を収得した後にそれが偽造のものであることを知り、行使の目的で人に交付した者は、刑法152条により処罰される。
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解答:◯
正しい記述です。同条は行使と、行使の目的での交付の双方を挙げています。
刑法152条の罰金は、その額面価格の3倍以下とされているが、2000円以下にすることはできない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。ただし書が罰金の下限を定めています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
章の締めくくりは153条。まだ何も作っていない段階を捉える条文じゃ。