刑法第72条・総則
刑法第72条:加重減軽の順序
同時に刑を加重・減軽するときは、再犯加重・法律上の減軽・併合罪の加重・酌量減軽の順に行います。総則の締めくくりとなる4号の順序を確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
加重も減軽もあるとき、どっちを先にやるかで答えが変わっちゃうよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。だから第72条が順番を法定しておるのじゃ。総則の最後の条文にふさわしい、計算の締めくくりじゃな。
条文の内容
同時に刑を加重し、または減軽するときは、次の順序によります。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 1号 | 再犯加重 |
| 2号 | 法律上の減軽 |
| 3号 | 併合罪の加重 |
| 4号 | 酌量減軽 |
順序を覚える
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
加重・減軽・加重・減軽……交互だ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい覚え方じゃ。「再犯 → 法律上の減軽 → 併合罪 → 酌量」。酌量減軽酌量減軽犯罪の情状に酌量すべきものがあるときに、刑を減軽すること(刑法66条)。法律上刑を加重・減軽する場合でも、さらに行うことができます(67条)。用語ページを見る →がいちばん最後というのは、とくに問われやすいところじゃぞ。
各号がどの条文につながるかも確認しておきましょう。
| 号 | つながる条文 |
|---|---|
| 1号(再犯加重再犯加重再犯の刑を、その罪について定めた拘禁刑の長期の2倍以下とすること(刑法57条)。長期だけが動き、短期は動きません。用語ページを見る →) | 57条 |
| 2号(法律上の減軽法律上の減軽法律の規定にもとづく刑の減軽のこと。刑法68条が、死刑・無期拘禁刑・有期拘禁刑・罰金・拘留・科料それぞれの減軽方法を定めています。用語ページを見る →) | 68条・69条・70条 |
| 3号(併合罪の加重) | 47条・48条2項 |
| 4号(酌量減軽) | 66条・67条・71条 |
67条との関係
刑法67条は、法律上刑を加重し、または減軽する場合であっても酌量減軽ができるとしていました。第72条は、その酌量減軽を最後に置くことで、両者の関係を計算の順序として具体化しています。
第一編のおわりに
第72条をもって、刑法第一編「総則」は終わります。
| 章 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 第一章 | 通則 | 1条〜8条 |
| 第二章 | 刑 | 9条〜21条 |
| 第三章 | 期間計算 | 22条〜24条 |
| 第四章 | 刑の執行猶予 | 25条〜27条の7 |
| 第五章 | 仮釈放 | 28条〜30条 |
| 第六章 | 刑の時効及び刑の消滅 | 31条〜34条の2 |
| 第七章 | 犯罪の不成立及び刑の減免 | 35条〜42条 |
| 第八章 | 未遂罪 | 43条・44条 |
| 第九章 | 併合罪 | 45条〜55条 |
| 第十章 | 累犯 | 56条〜59条 |
| 第十一章 | 共犯 | 60条〜65条 |
| 第十二章 | 酌量減軽 | 66条・67条 |
| 第十三章 | 加重減軽の方法 | 68条〜72条 |
資格別の演習
同時に刑を加重し、または減軽するときは、再犯加重、法律上の減軽、併合罪の加重、酌量減軽の順序による。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法72条各号の順序そのものです。
酌量減軽は、併合罪の加重よりも先に行う。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法72条は、併合罪の加重(3号)の後に酌量減軽(4号)を行うと定めています。酌量減軽は最後です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
これで総則は読み終えた。次からは第二編「罪」——いよいよ個々の犯罪の世界に入るぞ。第一章は削除されておるので、第二章の内乱の罪から始まるのじゃ。