刑法第45条・総則

刑法第45条:併合罪

確定裁判を経ていない2個以上の罪が併合罪です。後段が定める「拘禁刑以上の刑に処する確定裁判」を境に、どこまでが一括処理されるかが決まります。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

3つの罪を犯したら、刑も3つ言い渡されるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そうはならん。第九章「併合罪」は、複数の罪をまとめて1つの刑にするための章じゃ。その入口が第45条。どこまでをひとまとめにするかを決めておる。

条文の内容

部分 内容
前段 確定裁判を経ていない2個以上の罪を併合罪とする
後段 ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする

前段——原則

まだ確定裁判確定裁判かくていさいばん上訴などによってもう争えなくなり、内容が動かせなくなった裁判のこと。刑法5条は、外国で確定裁判を受けても日本で改めて処罰することを妨げないとしています。用語ページを見る →を経ていない2個以上の罪は、すべて併合罪併合罪へいごうざい確定裁判を経ていない2個以上の罪のこと(刑法45条前段)。ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪と裁判確定前に犯した罪だけが併合罪になります(同条後段)。用語ページを見る →になります。まとめて1つの処断刑をつくるのが第九章の仕組みです。

後段——確定裁判が線を引く

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「拘禁刑以上の刑に処する確定裁判」って、どういう役割?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

時間の区切りじゃ。その裁判が確定した時点で線が引かれる。線の前に犯した罪だけが、その罪といっしょに併合罪になる。線の後に犯した罪は、別のグループになるのじゃよ。

後段が要求しているのは、単なる確定裁判ではなく「拘禁刑以上の刑に処する確定裁判」です。罰金だけの確定裁判では、この線は引かれません。

確定裁判の内容 45条後段の線引き
拘禁刑以上の刑に処するもの 線が引かれる
それに至らないもの 線は引かれない(前段の原則が続く)

判例——併合罪は一個の刑で処断する

最判昭和38年11月12日は、一部有罪(有期の刑)一部無罪の第一審判決に対して全部について控訴があり、無罪部分について第一審判決を破棄すべき理由がある場合には、有罪部分について控訴の理由がないときでも、全部について第一審判決を破棄し、刑法45条・47条を適用して一個の刑をもって処断すべきであると判示しました。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

片方だけ直す、ってわけにはいかないんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

併合罪は全体で1つの刑をつくるからのう。部分だけを取り替えると、刑の組み立てが壊れてしまうのじゃ。

第九章の地図

第45条から第55条までが併合罪の章です(第55条は削除)。役割で並べると次のようになります。

条文 内容
45条 併合罪とは何か
46条〜49条・53条 刑を科すときの制限(併科併科へいか2個以上の刑を併せて科すこと。刑法48条1項は罰金と他の刑を、53条は拘留・科料と他の刑を併科すると定めています。用語ページを見る →・加重・没収)
50条〜52条 余罪・複数の裁判・大赦があった場合の処理
54条 科刑上一罪科刑上一罪かけいじょういちざい複数の罪名に触れるが、刑を科すうえでは1個の罪として最も重い刑により処断されるもの。刑法54条1項の観念的競合と牽連犯がこれにあたります。用語ページを見る →(1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合等)

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

確定裁判を経ていない2個以上の罪は、併合罪となる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法45条前段の文言そのものです。

司法書士正誤問題AI生成類題

ある罪について罰金に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪となる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。刑法45条後段が線を引くのは「拘禁刑以上の刑に処する確定裁判」があった場合です。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「確定裁判を経ていない」「拘禁刑以上」。この2つが第45条の合言葉じゃ。

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