刑法第20条・総則

刑法第20条:没収の制限

拘留・科料のみに当たる軽い罪では、原則として没収を科せません。ただし組成物件だけは例外——ただし書の切り分けを確認します。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

科料って千円からでしょ? そんな軽い罪で高価な物を没収されたら、刑罰より重くなっちゃうよ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

まさにその心配に応えたのが第20条じゃ。軽い罪には没収を付けない——ただし、例外がひとつあるのじゃよ。

条文の内容

部分 内容
本文 拘留拘留こうりゅう刑法16条が定める、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置する刑。刑事訴訟法上の身柄拘束である「勾留」とは別のものです。用語ページを見る →または科料科料かりょう刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →のみに当たる罪については、特別の規定がなければ没収没収ぼっしゅう犯罪に関係する物の所有権を国に強制的に移す付加刑(刑法19条)。犯人以外の者に属する物は、その者が犯罪後に事情を知って取得した場合を除き、没収できません。用語ページを見る →を科すことができない
ただし書 刑法19条1項1号に掲げる物(組成物件組成物件そせいぶっけん刑法19条1項1号の「犯罪行為を組成した物」。賄賂として渡された金銭のように、それが無ければその犯罪が成り立たないという関係にある物を指します。用語ページを見る →)の没収については、この限りでない

制限のかかる場面

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「拘留または科料のみに当たる罪」って、どういう意味?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

その罪の法定刑法定刑ほうていけい個々の犯罪について、条文があらかじめ定めている刑の種類と範囲のこと(「〇年以下の拘禁刑」など)。ここを出発点に、加重・減軽を経て実際の刑が決まります。用語ページを見る →が拘留か科料しか用意されていない、という意味じゃ。「拘禁刑または科料」のように重い刑も選べる罪なら、この制限はかからん。

制限がかかる場合でも、次の2つの抜け道があります。

  1. 特別の規定があるとき(本文)——個別の法律が没収を認めていれば、それに従う
  2. 組成物件の没収(ただし書)——刑法19条1項1号の物は、なお没収できる

なぜ組成物件だけ例外なのか

組成物件組成物件そせいぶっけん刑法19条1項1号の「犯罪行為を組成した物」。賄賂として渡された金銭のように、それが無ければその犯罪が成り立たないという関係にある物を指します。用語ページを見る →は、それが無ければその犯罪自体が成り立たないという関係にある物です。手元に残しておけば、そのまま次の犯罪の材料になりかねません。軽い罪であっても、そうした物までは残さない——ただし書はそういう切り分けだと理解できます。

なお、2号の供用物件供用物件きょうようぶっけん刑法19条1項2号の「犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物」。殺人に使った凶器のように、犯罪の手段として使われた(使おうとした)物を指します。用語ページを見る →や3号・4号の物はただし書に含まれていません。ここが出題の狙い目です。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

拘留または科料のみに当たる罪については、特別の規定がなければ没収を科すことができない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法20条本文がそのまま定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

拘留のみに当たる罪であっても、犯罪行為を組成した物については没収することができる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法20条ただし書は、刑法19条1項1号の物(組成物件)の没収を制限の対象から外しています。

司法試験正誤問題AI生成類題

科料のみに当たる罪については、特別の規定がない限り、犯罪行為の用に供した物であっても没収することができるとされている。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。刑法20条ただし書が例外としているのは刑法19条1項1号の物(組成物件)に限られます。2号の供用物件は本文の制限を受けるため、特別の規定がなければ没収できません。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「軽い罪に没収なし。ただし組成物件は別」。ただし書が指すのが1号だけという点、忘れずにな。

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