刑法第9条・総則
刑法第9条:刑の種類
日本の刑罰は6種類しかありません。単独で言い渡せる5つの主刑と、付け加えてしか科せない没収という付加刑の区別を確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
刑罰っていろいろあるよね。懲役に禁錮に……あれ、最近ニュースで「拘禁刑」って聞いた気がする。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく耳が届いておるのう。令和4年の改正で懲役と禁錮が一本化され、拘禁刑になったのじゃ。第9条の並びも、それに合わせて変わっておるぞ。
条文の内容
刑法9条は、刑の種類をこう定めます。
死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
| 区分 | 刑 | 条文 |
|---|---|---|
| 主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る → | 死刑死刑刑法11条により、刑事施設内において絞首して執行される刑。言渡しを受けた者は、執行に至るまで刑事施設に拘置されます。用語ページを見る → | 11条 |
| 主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る → | 拘禁刑拘禁刑刑事施設に拘置する刑。刑法12条により無期と有期があり、有期拘禁刑は1月以上20年以下です。改善更生を図るため、必要な作業や指導を行うことができます。用語ページを見る → | 12条 |
| 主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る → | 罰金罰金一定額のお金を強制的に取り立てる財産刑。刑法15条により1万円以上で、減軽するときは1万円未満に下げることができます。用語ページを見る → | 15条 |
| 主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る → | 拘留拘留刑法16条が定める、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置する刑。刑事訴訟法上の身柄拘束である「勾留」とは別のものです。用語ページを見る → | 16条 |
| 主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る → | 科料科料刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る → | 17条 |
| 付加刑付加刑主刑を言い渡すときに、それに付け加えてのみ科すことができる刑のこと。刑法9条により、没収だけが付加刑とされています。用語ページを見る → | 没収没収犯罪に関係する物の所有権を国に強制的に移す付加刑(刑法19条)。犯人以外の者に属する物は、その者が犯罪後に事情を知って取得した場合を除き、没収できません。用語ページを見る → | 19条 |
主刑と付加刑の違い
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
主刑と付加刑って、どう違うの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る →はそれだけで独立して言い渡せる。じゃが付加刑付加刑主刑を言い渡すときに、それに付け加えてのみ科すことができる刑のこと。刑法9条により、没収だけが付加刑とされています。用語ページを見る →である没収は、主刑を言い渡すときにしか付けられん。「没収だけを言い渡す」ということは、原則としてできんのじゃよ。
この並び順には意味がある
第9条の並び順(死刑→拘禁刑→罰金→拘留→科料)は、単なる列挙ではありません。刑法10条1項が「主刑の軽重は、前条に規定する順序による」と定めているため、この順序がそのまま刑の重さの序列になります。
なお、拘留(16条)は1日以上30日未満の自由刑であり、罰金より後ろに置かれている点に注意が必要です。身体を拘束する刑だから当然に財産刑より重い、というわけではありません。
資格別の演習
刑法9条が定める主刑は、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留および科料の6種類である。
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解答:×
誤りです。懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。現行の刑法9条が定める主刑は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類です。
没収は付加刑であり、主刑を言い渡す場合にこれに付加して科される。
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解答:◯
正しい記述です。刑法9条は没収のみを付加刑としています。なお刑法20条は、拘留または科料のみに当たる罪については特別の規定がなければ没収を科せないという制限も置いています。
刑法9条に掲げられた主刑の順序は、刑の軽重を判断する際の基準となる。
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解答:◯
正しい記述です。刑法10条1項が「主刑の軽重は、前条に規定する順序による」と定めているため、9条の並び順がそのまま重さの序列として働きます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「主刑は5つ、付加刑は没収だけ」。第9条はここを外さなければよい。次の第10条で、その並びが重さの物差しになるぞ。