刑法第228条の3・略取、誘拐及び人身売買の罪
刑法第228条の3:身の代金目的略取等予備
身の代金目的略取罪を犯す目的での予備を処罰します。ただし書の「減軽し、又は免除する」は、刑法でも数少ない必要的減免です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
113条や201条のただし書は「できる」だったのに、こっちは言い切ってる!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく比べたのう。「減軽し、又は免除する」——必要的じゃ。しかも条件が「実行に着手する前に自首した者」と、はっきり書かれておる。
条文の内容
第二百二十五条の二第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 目的 | 第225条の2第1項の罪を犯す目的 |
| 行為 | その予備をした |
| 刑 | 2年以下の拘禁刑 |
| ただし書 | 実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する |
予備罪のただし書を比べる
| 条文 | ただし書 | 性質 |
|---|---|---|
| 刑法113条(放火の予備) | 情状により、その刑を免除することができる | 任意的免除 |
| 刑法201条(殺人予備殺人予備刑法199条の罪を犯す目的で予備をすること(刑法201条)。2年以下の拘禁刑ですが、ただし書により情状によって刑を免除することができます。用語ページを見る →) | 情状により、その刑を免除することができる | 任意的免除 |
| 刑法237条(強盗予備強盗予備強盗の罪を犯す目的で予備をすること(刑法237条)。2年以下の拘禁刑で、放火の予備(113条)や殺人の予備(201条)と違い、刑を免除できるただし書はありません。用語ページを見る →) | ただし書なし | — |
| 刑法228条の3 | 実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する | 必要的減免 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
条件も効果もぜんぜん違うんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
113条・201条は「情状により」——裁判所が事情を見て判断する。228条の3は「実行に着手する前に自首」——やるべきことが具体的に書いてある。書き方が違えば、働き方も違うのじゃ。
自首自首罪を犯した者が、捜査機関に発覚する前に自ら申し出ること。刑法42条1項により、その刑を減軽することが「できる」とされています。用語ページを見る →との関係
刑法42条1項の自首は、捜査機関に発覚する前にすることが要件で、刑を減軽することができるとされる任意的減軽です。228条の3ただし書は、実行の着手前という別の条件を置き、効果も必要的です。
| 条文 | 条件 | 効果 |
|---|---|---|
| 刑法42条1項 | 捜査機関に発覚する前 | 減軽することができる |
| 刑法228条の3ただし書 | 実行に着手する前 | 減軽し、又は免除する |
予備を罰する条文の一覧
| 条文 | 対象 | 刑 |
|---|---|---|
| 113条 | 放火 | 2年以下の拘禁刑 |
| 153条 | 通貨偽造等準備 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 163条の4 | 支払用カード電磁的記録不正作出準備 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 201条 | 殺人 | 2年以下の拘禁刑 |
| 228条の3 | 身の代金目的略取等 | 2年以下の拘禁刑 |
| 237条 | 強盗 | 2年以下の拘禁刑 |
資格別の演習
身の代金目的略取等予備罪を犯した者が、実行に着手する前に自首したときは、その刑は必ず減軽または免除される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法228条の3ただし書は「減軽し、又は免除する」と定める必要的減免です。
刑法228条の3は、刑法225条の2第2項の罪を犯す目的での予備も処罰の対象としている。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。同条は「第225条の2第1項の罪を犯す目的で」と定めています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
章の締めくくりは229条。親告罪の範囲が、ずいぶん狭く絞られておるぞ。