刑法第228条の2・略取、誘拐及び人身売買の罪

刑法第228条の2:解放による刑の減軽

公訴提起前に略取された者を安全な場所に解放したときの必要的減軽です。「減軽する」と言い切っている点が、これまでの任意的減免と決定的に違います。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「減軽する」——「できる」じゃない!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが急所じゃ。170条・173条の自白による刑の減免自白による刑の減免じはくによるけいのげんめん偽証罪(刑法170条)・虚偽告訴罪(173条)について、裁判が確定する前または懲戒処分が行われる前に自白したときに、刑を減軽しまたは免除することができるという仕組み。いずれも任意的です。用語ページを見る →は「できる」であった。じゃが228条の2は言い切っておる。必要的減軽じゃな。

条文の内容

第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。

要件を分解する

要件 条文の言葉
対象の罪 225条の2、227条2項、227条4項
時期 公訴が提起される前に
行為 略取・誘拐された者を安全な場所に解放した
効果 その刑を減軽する(必要的)

対象となる罪

条文 罪
225条の2 身の代金目的略取等身の代金目的略取等みのしろきんもくてきりゃくしゅとう近親者その他略取・誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させる目的で人を略取・誘拐すること(刑法225条の2第1項)。無期または3年以上の拘禁刑です。用語ページを見る →(1項・2項とも)
227条2項 身の代金目的略取の犯人を幇助する目的での引渡し等
227条4項 身の代金目的での収受、収受者による財物の要求等

いずれも身の代金にかかわる類型です。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

身の代金の事件だけなんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこに意味がある。人質を無事に帰す道を、法律の側から用意しておく——刑を確実に軽くすると約束することで、解放へ向かわせる仕組みじゃな。

減軽・免除の書き方を比べる

条文 書き方 性質
刑法105条 刑を免除することができる 任意的免除
刑法170条・173条 刑を減軽し、または免除することができる 任意的
刑法201条ただし書 刑を免除することができる 任意的免除
刑法228条の2 その刑を減軽する 必要的減軽
刑法228条の3ただし書 刑を減軽し、又は免除する 必要的

「安全な場所に」

条文は、単に解放するだけでなく「安全な場所に」と書いています。解放の仕方まで要件に組み込まれています。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

身の代金目的略取罪を犯した者が、公訴が提起される前に被害者を安全な場所に解放したときは、その刑は必ず減軽される。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法228条の2は「その刑を減軽する」と定める必要的減軽です。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑法228条の2は、未成年者略取罪(刑法224条)を犯した者が被害者を解放した場合にも適用される。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。同条が挙げるのは225条の2、227条2項・4項の罪に限られます。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の228条の3は、予備の条文じゃ。ただし書にもう一つの必要的減免が置かれておるぞ。

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