刑法第219条・遺棄の罪
刑法第219条:遺棄等致死傷
遺棄罪・保護責任者遺棄罪により人を死傷させた場合の規定です。「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」の6例目です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
もうこの言い回し、覚えちゃった。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それでよいのじゃ。繰り返し出てくる型は、型として覚える。そのうえで、指し先がどこかを毎回確かめる——それが読解じゃ。
条文の内容
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
「前二条」の範囲
| 条文 | 罪 | 刑 |
|---|---|---|
| 217条 | 遺棄遺棄刑法217条は、老年・幼年・身体障害・疾病のために扶助を必要とする者を遺棄する行為を処罰します。刑法190条の死体遺棄における「遺棄」とは、条文の場面が異なります。用語ページを見る → | 1年以下の拘禁刑 |
| 218条 | 保護責任者遺棄等保護責任者遺棄等老年者・幼年者・身体障害者または病者を保護する責任のある者が、これらの者を遺棄し、またはその生存に必要な保護をしなかったこと(刑法218条)。3月以上5年以下の拘禁刑です。用語ページを見る →等 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
比較の対象
| 条文 | 刑 |
|---|---|
| 刑法204条(傷害傷害人の身体を傷害すること(刑法204条)。15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、拘禁刑と罰金の幅がきわめて広い条文です。用語ページを見る →) | 15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 刑法205条(傷害致死傷害致死身体を傷害し、よって人を死亡させること(刑法205条)。3年以上の有期拘禁刑です。用語ページを見る →) | 3年以上の有期拘禁刑 |
217条・218条の刑と比べると、傷害の罪のほうが重くなる場面が多くなります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
だから「比較して重い刑」に意味があるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。もとの罪が軽いほど、この比較は効いてくる。218条で見た最判平成元年12月15日も、保護責任者遺棄致死の事案であった。
第三十章を読み終えて
| 条文 | 内容 | 刑 |
|---|---|---|
| 217条 | 遺棄 | 1年以下の拘禁刑 |
| 218条 | 保護責任者遺棄等 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 219条 | 遺棄等致死傷 | 傷害の罪と比較して重い刑 |
第三十章には、未遂を罰する規定がありません。
資格別の演習
保護責任者遺棄罪を犯し、よって人を死亡させた者は、傷害の罪と比較して重い刑により処断される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法219条は217条・218条の罪を対象としています。
第三十章「遺棄の罪」には、未遂を罰する規定が置かれている。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。同章には未遂処罰の規定がありません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の第三十一章は、たった2か条じゃ。じゃが守るのは身体の自由という大切なものじゃぞ。